2015年11月3日火曜日

京都筋宇野系らんちゅう 上見でタイプを探る

いつもと同じようなテーマですが、今日撮影した写真の中に、説明しやすそうな3匹が並んでいる写真がありましたのでピックアップしてみました。

まずは、そのまま御覧ください。


表層を泳いでいる3匹。
右側の11時を向いている魚、真ん中で5時を向いている魚、左下で4時を向いている魚です。

オスメス1匹ずつで掛けた同胎に魚です。



補助線を付けてみました。

背幅のライン、背出しのライン、兜巾の土台の形、目の位置です。

その他、補助線を基準にして腹型、頭部の形と長さなどを見ています。

どの魚もまだまだ細く、これから成長とともに太味が増していくと思います。
ただ、この時点でも、魚のタイプは、ある程度見分けることができると思っています。

右の魚は、シルエットが一番細いです。頭部も細長く 目が少し内側に付いています。
この先フンタンや目の下の肉瘤が張り出してくるとは思いますが、奥目な感じのまま成長することと思います。
兜巾が細長く、目の中心を結んだ線(黒い線)に対して後ろよりについているのですが、
こういうタイプは兜巾が上がりに場合が多いように思います。(我が家の筋ではという話ですが)
腹型は、長手のなつめ型ってところでしょうか。(まだ細いのでわからないですけど)
峰っぽいとまでは言いませんが、背の扁平感(背幅感)はあまりなく、この先も背幅感が増してくる可能性は低いと思っています。
キズがなく、尾形が付いていて、もう少し筒が詰まっていれば会用として残すかもしれませんが、いずれハネる魚かもしれません。(我が家はメスが少ないので、オスメスはっきりするまでは残しましが)



中央の魚は、あまり出ない変わった魚です。
胴の作りや頭部の雰囲気は、兜巾タイプなのですが...
良い所は、 背幅の太さと、背出しからしっかり太く出ているところです。
普通、背出しのところは少し細めに出て、胴の真ん中らへんで太くなっていくのですが、
この魚は、背出しの直後と胴の真ん中らへんの太さがあまり変わらないのが特徴です。
背幅と同じく頭蓋骨もしっかりと幅を持ち、目も外側に付いています。

ただ、腹付きの悪さと頭部の様子は、少し気になります。
頭部については、背出しのラインが少し突っ込んでいること、頭部の長さが短いこと、
兜巾が前のめりに付いていることなどです。
全て関連していると思います。
普通、背出しのラインが突っ込み気味の場合、背の出だしが高い(首が高い)場合があるのですが、
この魚、横から見てもさほど高いわけではありません。
となると、首がうつむいて付いている? いや、それほどでも無いんですよね。
この先、どんな魚に成長するのでしょうか...


左下の魚は、良さそうですね。ふっくらした獅子頭タイプの胴に骨格の良い頭が付いています。
背幅は「ひと幅足りない」って感じかもしれませんが、そこそこの背幅感はあります。
ふっくらした腹付きも魅力的です。
背幅は、まっすぐに近く頭部全体の長さもあります。
また、この魚の一番の特徴は、目の位置で頭蓋骨が張り出しているところです。
微妙な感覚なのでなかなかわかりにくいかもしれませんが、
目の位置で頭蓋骨が張り出しているのと、エラ蓋に肉瘤が無いから目が張り出して
見えるのと同じように見えますが違います。
それは、肉瘤の無い黒子の頃に頭蓋骨の形を良く見ていると違うということがわかります。
こういう頭蓋骨の形をしている魚は、兜巾が丸い形にあがることがあります。
丸みのある頭部と、やわらかみのあるふっくらした胴を持つ魚は、無理に餌を付けず
自然体で育ててもバランスの良い宇野系らしい魚に仕上がります。
慌てずゆっくり6歳、7歳 まで育てると、肉瘤も十分に発達し、いかにも京都のらんちゅうと
いう姿を見せてくれると思います。

種魚として使ってみたいのは左下の魚。真ん中は今後あまりにも変な体型にならなければ、試しに使って、良さが遺伝するかどうか確認してみたいですね。

2015年11月1日日曜日

その後、4週間(動画を追加しました)

前回のアップの前に、久しぶりに水換えをしてから4週間。

その後、控えめに餌をやっていました。

多少、ふっくらもしてきた様子。

種用三歳 




ちゃんと世話をしていれば、もう少しコブも出ていたとは思いますが、
今年は、ほとんど世話ができなかったので、まあ、元気でいてくれただけでありがたいです。

どの魚も背出しが深いですね。
「背出しがまっすぐ」という話と「背出しの深い」というのは、また違う話で、首が上向きに付いているという指標にもなるので、私は好評価の材料としています。

ただ、頭が長く見えるので、よほど目幅が無いと、細く見えるようになってしまいますね。

左上の魚や右端の魚は、 背出しの深さに加えて十分な目幅を持っていますね。
目幅だけでなく頭蓋骨後端(おでこの後ろ?)も十分に幅を持っているので、背幅感もあります。
成長とともに目下の肉瘤が張り出してくれば、見応えのある魚になりそうです。
背出しが深いとどうしても兜巾の土台が長方形になるので、兜巾もしっかり膨隆してほしいところです。(兜巾が出なければ、顔が整わないと思います。)

左下の魚は、他の魚に比べると目幅が寂しい気もしますが、胴の雰囲気が良いように思います。
全体のシルエットを見た時に、エラ下のすぐ後ろ(エラ下)の胴の出始めの横幅が変に張りすぎず、すっきりと胴が出始め、腹じまいにかけてゆったりと膨らんでいます。(硬さが無いなんて言ったりします。)
先に説明した2匹などは、エラ下からパンと張っているので、なんとなくだらしない感じ。っていうのかな...
で、現段階では、左上や右端の魚の方が背幅感はあるのですが、左下の魚の持ち前の柔らかさが先々発揮されると、ぐっと背幅を増してくる時期が来るんですよね。(来るか来ないかはまだわかりませんけど)
そうすると、背幅感が格段にアップして腹付きも良い感じの魚になったりします。



種用2歳
こちらは、二歳魚です。
同じく、餌を与えられなかったので、当歳の冬と変わってないかも...

頭の形が独特ですね。
目の後ろが張り出していて、エラでまたギュッと絞られてるって感じです。

こういう魚って、独特の背幅感を出すことがあるらしいのですが、この魚もなんとなく
背出し部分の背幅感がしっかりしている印象です。

種用2歳

上の2歳を同胎の魚と一緒に撮影した写真です。上の仔は、左中段で
9時方向を向いている仔です。
頭の形が違いますよね。(目が斜めに出っ張ってついてるだけって気もしますが)

背幅感も他の同胎に比べて少し違うようです。
左したの仔も背幅感の良い魚ですね。
この腹は、全体的に柔らかくて体型が壊れやすい魚が多いようです。
餌の量に気をつけて、じっくり大きくしていかなければなりませんね。
(え、ああ、今年の私の育て方では、小さすぎますけど...)


と、まあ、今年は、世話ができず、結局品評会もほとんど行けなかったので、
一人品評会みたいな感じでしたが、そもそも会用は人にあげることが多いので、
残ってないし...
一人勉強会ですね。

まあ、こういった楽しみな魚が残ってくれただけで十分ということにしておきます。


随分寒くなってきましたけど、もう少し餌、付けられるかな。

2015年10月7日水曜日

とても久しぶりの投稿

皆様、お久しぶりです。
本当に久しぶりの投稿です...

今シーズンは、仕事が忙しすぎて土日もほとんど事務所にいましたので、
水換えをする暇がなく、そうなると餌も付けられず...

ずっと青水だけで育てるというような状況が続きました。

10月に入り、少し気温も下がってきたので、青水の状態が急変するのも困るので、
久しぶりの休みを利用して、水を全て抜いて舟の丸洗い。

魚もさぞ傷んでガリッてるんだろうなと思いつつ...


ん?結構良い感じでした。

もちろんサイズ的にはほとんど成長していませんが、
ウロコのツヤや肉瘤の状態は良かったです。

その時に撮影した動画をご覧ください。


多分、3月に冬眠明けしてから人工飼料は4~5回しか与えてもらってないんじゃないかな...
水換えの後、食べるものがなくなるので、ペレットを投入しましたけど、青水ができたらほぼ給餌はしてませんでした。

兜巾に関して言えば、春よりも大きくふっくらしたような気がします。


2015年3月14日土曜日

京都筋宇野系らんちゅうの選別 : 背の太さと高さ

冬眠明けの二歳です。


 左上で2時方向を向いている魚は、一見背を太く見せますが、背の高さでごまかしている魚です。

 単に体高が高いというよりも、背の筋肉が太く大きいので、背がこんもりと盛り上がっているような構造になっています。

背だし(後頭部と背の境目)がかなり鼻先の方へ突っ込んでいるのがわかるでしょうか?

背の筋肉が嫌な感じに持っている(盛っている)魚の特徴です。

この角度ではわかりにくいですが、目幅はそこそこあるのですが、頭蓋骨(おでこ)が細いです。

こういうタイプは、上見では、背が太く見えるので、胴を重視する選別の場合、良魚とされることもあるようですが、どうでしょう...
親になり、兜巾が膨隆してくると背だしの欠点を隠し、 目下が張り出してくると、頭蓋骨の細さを隠してしまうため、より一層、良い魚に見えてくるようになります。
 でも、個人的にはあまり点数の良い魚ではありません。

背の筋肉は「大きく太く」ではなく「低く平たく」なって欲しいのです。

そのためには、頭蓋骨のおでこも広くなければなりません。

この魚のような魚を当歳、二歳の頃に、背の筋肉が盛った魚として認識し、それを分かった上で飼育していかなければ、上から見ると太く見えるけど、少し角度が変わると、なんか嫌味のある魚が多くなってしまうのではないかと思っています。



微妙な違いですが、 上の二匹の背の筋肉の付き方の違いが、わかるでしょうか?
(ちょっとピンぼけなので、また写真撮っておきます)

そろそろ始動と思ったけど、寒波襲来...

冷たい雨の降る週末が続いていたのですが、先週の日曜日は寒さも和らぎ雨も上がったので、大事な舟から順番に丸洗いをしました。

土日も仕事の状況が続き、冬の間まったく世話ができず、明二歳の舟は波板で蓋をしたままだったため、相当ひどい状況を想定していましたが、明二歳のひと池で、何匹かダメになってましたが、後は何とか冬越ししたみたいです。


親魚

ただ、その後また寒波が来てしまいましたね。
水曜日の夜は雪が積もっていました。

別系統の親魚(オス)
冬眠明けでも肉瘤がしっかりしてますね


お彼岸を過ぎれば、少しは過ごしやすくなるでしょうか...

今シーズンも、ぼちぼちマイペースになると思いますが、よろしくお願いします。

2015年3月1日日曜日

京都筋宇野系らんちゅうの飼育(3月)

3月1日です。

昨日は、関西でも春一番が吹いたとのこと。(結構寒かったんですけど...)

ただ、このところ少し春めいた温かい日もあったので、庭の野梅のつぼみがほころび始めました。


写真は、結構咲いてますが、まだ2分から3分咲きという感じです。

野梅が咲いたら、我が家のらんちゅうもシーズンインです。

天気が良ければ、舟の丸洗いをしたかったのですが、今日は雨が強いので延期します。
でも、これからどんどん日差しが強くなっていくので早めに水換えをしたいですね。

今冬は、舟に波板をかぶせたりして寒さ対策をしたせいか、明け二歳も立鱗になったりせず、
明け三歳以上も順調だったので、結局途中での水換えをしませんでした。
(仕事が忙しくて世話ができなかったというのもありますが...)


順調に立ち上がってくれれば良いのですが...
来週は、必ず水換えしなければ...

晴れますように(願)

コケ取り要員量産中(孵化)

月曜日の未明に産卵したアルビノブッシープレコですが、木曜日には孵化していました。
水温27℃で、孵化まで要する時間が3~4日といったところでした。


土管の中に産み付けられて孵化していたのですが、受精しなかった卵がカビてきていたので、
稚魚だけ取り出しました。
全部で50個ぐらいの卵があったと思うのですが、そのうち孵化したのが20匹、発生は続いたけど孵化できない(卵から出られない)のが5個、残りが未受精卵といった感じでした。

上の写真では左上に集まっているのが健康な稚魚で、右下の方、白っぽくなっている稚魚は孵化後にダメになったやつで、卵のままのものは殻が破れずに孵化できないようです。
(見た限り、発生は順調に進んでいるようなのですが...)

正直、土管の壁面にもう少し整然と卵を並べる(敷き詰める)様に産卵するのかと思っていましたが、いわゆるスジコのような卵塊のまま土管に付着してました。
そのため、中の方の卵は酸欠のような状態になるのか、受精しにくいのか、死卵が多かったです。

産卵後、1日半ほど経ったところでメスが土管から出て行ったので、土管を取り出し、卵を守っているオスも出して、土管だけ孵化用水槽に移して孵化させたのですが、その時に、卵を土管から出して、水通しの良い状態で付加させる方が良いのかもしれません。

 ・ ・ ・ ・ ・
 孵化した稚魚の大きさは、らんちゅうで言えば、最初に尾で選別するときぐらいの大きさです。
ただし、巨大なヨークサックをつけています。また、頭が異様に大きいですね。
とりあえず、


これだけ大きなヨークサックを付けていれば、孵化直後の育成は楽でしょうね。
6日ほど放置して、ヨークサックがなくなる頃に、ベビーブラインシュリンプとプレコ用のタブレットを与えて見る予定です。
らんちゅうが青子になる頃には、調度良い大きさに育ってくれそうです。

2015年2月23日月曜日

コケ取り要員量産中

らんちゅうについては目幅と頭蓋骨の幅の話でも書いてみたいと思っているのですが、イラストなどの準備がなかなかできません。

さて、今日は、らんちゅうではないのですが、今シーズンのらんちゅう飼育に役立てることができないかと、研究中(?)のアルビノブッシープレコの話題です。



ご存知、熱帯魚のブッシープレコのアルビノですが、プレコといっても成魚で全長10cm程度とあまり大きくなりません。
それでも、せっせと苔を食べてくれます。

このアルビノブッシープレコを水槽で繁殖させ、水温が20℃を越える期間、青子から黒子期のらんちゅうの舟に泳がしておけば、苔に絡まって落ちる事故が減るんじゃないかと思っています。


協会系や普通の宇野系では、水換えを頻繁にするので、苔で悩まされることが少ないと思いますが、我が家のように青水で飼う場合、どうしても舟の壁面に苔が生えます。

毛足の短い苔なら良いのですが、ヒョロヒョロとたなびく苔が伸びてくると、それに絡まって落ちたりしちゃうんですよね。

それを、このアルビノブッシープレコチームに防止してもらおうかという話です。

ブッシープレコは、ヤマトヌマエビぐらいのサイズでも食べないので、 ピーナツの粒ぐらいに成長した青子なら一緒に飼えると思います。
本当は、冬眠期間中の苔を食べてくれるとありがたいんですけど、熱帯魚なので、それは無理ですよね...

上の写真は、本日、産卵をしたペアです。(26.5℃)
左がオス、右がメスで、メスの右にオレンジ色の粒が卵です。
30個ぐらいあります。
4日ほどで孵化します。
イワナの卵ぐらいの大きさです。孵化稚魚も結構な大きさ(大きなヨークサックを付けて孵化します)

さて、無事に育つでしょうか...