2014年8月25日月曜日

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説(背なり) 

背なりというのは、横から見た時の背中のラインのことで、ラインが良い時は「背なりが美しい」とか「綺麗な背なり」というように表現します。

最近は、宇野系に限らず協会系においても背なりを意識する人が増えてきているようです。

協会系では、背出しから1文字に伸び、腰から尾筒に掛けて適度な丸みを持って下ろすような背なりを好む人が増えているのではないでしょうか。
 さて、イラストを見ながら話を進めたいと思います。


宇野系らんちゅうで、良く見る背なりは、2と4と5です。


1は、一部の愛好家の一部の血統でしか見られないタイプだと思いますが、体高を抑え、フラットな背なりを持つタイプです。
腹も必要以上に丸くなっておらず、とにかく体高がコンパクトです。
この背なりで、骨格と筋肉の形を改良していくと、充実した背幅を持つ魚に仕上がっていきます。

また、首が上向きにつきやすい背なりなので、顔も良くなります。
 ただ、体全体のシルエットを小さく見せてしまう という面もあるので、迫力のある魚を育てようとすると、難しいかもしれません。
そのため、腹型の良い魚を選び、形の良い肉瘤を載せていくようにして見栄えを演出する必要があります。

2は、良く見るタイプの魚です。
背出し(背中と肉瘤の境目)から少し斜め上方向に背が伸び、さほど高くなく適度な丸みをもって筒へと流れていくような背なりです。
バランスの取れた魚に仕上がるタイプが多いです。

3は、首高やゴツと呼ばれる背なりです。へ腰という場合もあるようでうs.
背出しの後ろで、盛り上がったように背が高くなります。
この部分を上から見ると、背幅が付いているように見えますので、上見重視で選別すると、
ついつい残してしまう魚です。
ただ、ゴツがある魚は、成長とともに、その部分がどんどんいびつになっていく場合があります。
瘤太郎は、基本的には残しません。
というよりも、当歳から2歳をスローペースで飼育すると、ゴツになる魚が少ないように思います。


4は、腰高の背なりです。
このタイプが主流となっている宇野系愛好会も多いです。
このタイプは、筒元を太く出しているように見せる魚が多いです。
上見で筒の太い魚を意識して選別していると、良く残ってしまうタイプです。

5は、昔から「柘櫛のような背」として、らんちゅうの基本のように言われてきた背なりです。
吻端部から大きく弧を描くようなラインで、腹側も丸くなっている場合が多く、体高があります。

 6は、背の途中に凹みがある背なりで、軽いものであれば選別でハネずに残す人もいるようです。ただ、このようになる魚は、背骨が湾曲している場合が多いので、瘤太郎は早い段階でハネます。

宇野系の愛好家の会話の中で、時々、「背を抑える」という話が出てくることがありますが、
このように変にへこんでいる魚のことを言うのではなく、1もしくは2のように低く出て素直なラインで腰へとつながるような背なりを、「低く抑えた背」といいます。


最後に、写真を...

「良い魚」として紹介するわけではないです。たまたま手元にあった写真です。

2歳で、頭から尾筒までが100円玉を2つ並べたぐらいです。
基本的には上のイラストでは2に該当する魚ですね。
ただ、4歳、5歳と成長する過程で、体長が伸び、大きな兜巾を乗せてくると、
1に見えるようになる場合もあります。


こちらの写真の魚↓は、1に近いですかね。
ただ、ちょっと腹が垂れてますね。
餌を付けた時に、腹が下へ垂れて膨らんでいるような状況を、
「腹が食い下がっている」 と表現することがありますが、
この魚はそんな感じですね。(実際には餌を食べた直後なんだろうと思いますが)

2 件のコメント:

  1. 分かりやすい説明ありがとうございます。

    質問ですが 側線から背中の上の鱗の枚数って決まってるのですか?

    理想は何枚とかあるんですか?

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  2. 側線と側線の間の鱗の数を数えた人はいたような気がしますが...

    個人的には、鱗が何枚見えるかというような見方をしていないので、
    鱗の枚数が違うのかどうか知らないのですが、
    広くて扁平な背をもっている魚は、横から見た時に正面を向いている鱗の数は必然的に少なくなるでしょうね。
    あと、京都の魚は、鱗が細かいといいますが、細かい鱗が多数付いているのなら、背中の上の鱗の枚数も増えるのかもしれませんね。

    いずれにせよ、私は、あまり鱗の枚数は気にしていません。
    上見・横見で見て鱗が綺麗ならそれで良いと思っているタイプです。

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