2014年4月29日火曜日

明二歳の宇野系らんちゅう(魚の見分け方)

前回に引き続き明二歳です。


前回の記事の仔達とは別の両親から産まれた仔です。
こちらの腹の方が、少し長手の仔が多いようです。

同じ魚達の別の写真がこちら↓





どれが何番の仔か分かりますか?

どの仔も長さは同じぐらいなので、

背幅、腹形、頭部の形やメの付き方などで見分ける必要があります。

もちろん、スボケが1匹と、

尾がくろそぶになってるのが1匹いるので、

それらはわかりますよね。

残りの4匹は背、腹形、頭部の形などで見分けてください。

こっちよりこっちのほうが背幅がある。とか、
こっちの方が腹付きがふっくらしてるとか...
そういう違いを見分けながら、1匹1匹の個性を理解することができれば、
後は残せる数を考えて残したい魚を残せば良いだけ。ということですね。

この6匹の中で、どれを残すか(どれが好きか)は、人それぞれで良いと思います。

2014年4月28日月曜日

明二歳の宇野系らんちゅう(胴の質を見る)

我が家では、頭と胴がコンタック600のカプセルからタバコのフィルター部分ぐらいの大きさになった頃に、頭骨や胴の雰囲気が良く、ついでに尾型の良い魚を15匹ぐらいピックアップして少し大きめに飼います。
(大きめといっても会用をやってる人からしたら豆粒ですけどね)

そういった魚は、この時期、こちらの写真ぐらいに成長します。



2枚の写真は、同じ3匹を撮影したもので、1枚目の写真の左上の魚が2枚目の真ん中、同じく1枚目の真ん中の魚が2枚目の左、1枚目の右端が2枚目の右端です。

それぞれの魚について、少し解説しておきます。

A)1枚目の左上(2枚目の真ん中)

 背を抑え、首を上向きに付けた質の良い骨格をしています。
吻端の土台が発達しているので顔が四角く見えますが、目幅やおでこも広く、良い魚です。



B)1枚目の真ん中(2枚目の左)

3匹の中では背幅が寂しいですが、腹付きが控えめなので兜巾型の魚かもしれませんね。
目幅、おでこの幅は良いので、兜巾タイプなら良い魚になるでしょう。

C)1枚目の右(2枚目の右)

 水なす型の腹構えを持つ会用魚という感じなので、背幅が寂しくなりやすい型なのですが、
この魚は十分な背幅を持っています。
同胎の水なす型の魚はBの魚ぐらいの背幅が多いのですが、この魚は一見して太いと思わせる背幅を持っている貴重な魚です。


Aは、背幅の充実した柔らかい魚に育っていってくれれば、次世代の本命種親でしょう。
Cは、 会用を採りたい場合の配合に使えそうですね。
Bは、4歳ぐらいまでは吻端も兜巾も出ず、見栄えのしない魚になりそうですが、古魚になってから化けてくれることを楽しみにキープしておく魚って感じですね。

2枚目の写真で、BとCの背幅感を見分けられるようになったら、あなたも胴フェチかも(^_^;)



ちなみに、ピックアップされなかった残りの魚達は、現在これ↑ぐらいのサイズです。
小さいですが、ちゃんと質を見て残しています。
左の魚はBと同じタイプ。真ん中はCに近いタイプで、より背幅が太いです。ただ伸びない(丸手)かもしれません。
右の魚はAに近いのですが、より柔らかみを持つ魚です。
どんな風に育つでしょうね(^_^)

2014年4月27日日曜日

京都筋宇野系らんちゅうの産卵時期

昨日今日と半袖で十分なぐらい暑かったのですが、
先ほどYahooの過去の天気で調べたら昨日の京都南部の最高気温は27度...
今日も25度。暑いわけです...

どの舟も雄魚はしっかり追い星を出しています。
メスの腹はまだそんなに柔らかくは無いですが、しっかり卵を持ってるな。とわかる個体も何匹かいます。

宇野系京都筋らんちゅう種親(オス) 

日中の気温が25度を超え、最低気温が15度ぐらいになってくると、
魚任せでも産卵が始まります。

瘤太郎の家では、明2歳は小さすぎて卵を持つサイズではないので、
産卵は3歳以降になりますが、3歳→4歳→それ以上というように、若い魚から産卵を始めるようです。

私の知人の多くもそうですが、いわゆる協会系のらんちゅう愛好家は12月から親魚を加温し、年が明けるやいなや仔引きをする人が多いようですが、比較的採卵時期の遅い宇野系らんちゅうでも、秋の品評会で当歳魚の出品を考えている人は早くから加温して採卵しているようです。

瘤太郎は基本的には産卵は魚任せです。らんちゅうを飼い始めた頃は、加温して3月に採ったりもしてましたが、のんびり飼うようになってからは、魚が勝手に仕上がって卵を産むまで待ってます。
というか、最初の卵は放卵させ、その20日程度後の大潮の前に、水換えをして魚巣を入れて刺激し、産ませることも多いです。
桜が散る頃からがシーズンになりますが、5月になってから産み出す年の方が多いですね。

ただ、5月は朝の水温が下がるので、ヒーターを入れておかないと、稚魚が一気に溶けるように落ちていくことも多いようです。

朝の最低水温が20度を越えるようになればヒーター無しでも稚魚の歩留まりは良くなってきます。

ときどき水温が高くなってから仔引きをすると奇形が増えるなどといった話を聞くことがありますが、瘤太郎は7月になってから産まれた仔を育てることが多いです。もちろん何の問題もなく育っています。
確かに、小さいまま冬眠することになるので、厳冬期は覆いをかけるなどしないと松かさのような状態になる魚が増えてしまいますが、それさえ気をつけて越冬できれば大丈夫です。

今年採りたいペアです。

上のペア、冬眠前にミスで魚を傷つけてしまったので、鱗が汚くなっているのですが、
何とか回復して元気に泳いでいます。
オスは、これぞ獅子頭というような充実した肉瘤が魅力です。
メスは胴の作りの良い魚で、兜巾も水饅頭様のしっかりした肌質を持っています。
尾はスボケですが、あまり気にしていません。
この2匹は同胎の兄妹です。明2歳で50匹ほど残し、繁殖サイズになった時に20匹ほど残していましたが、胴造りと兜巾の質は、このメスが一番でした。
胴や兜巾(肉瘤)の遺伝子を残すためには、 スボケだからといってハネていては残らないという例の1つですね。
(念のため書いておきますが、協会系の硬い尾は別として、宇野系の尾形であれば、片親がスボケでも大丈夫だと思っています。※この2匹のメス親もスボケでしたが、写真のオスのような綺麗な尾形を持つ魚は沢山居ました。結局は針仔の間の餌の量で尾の開きは随分変わるようです。)

 さてさて。いずれにしてもそろそろ自然産卵もシーズンインですね。
オスがメスを追尾するような行動(追い行動)を見せ始めたら、大潮や雨、水換えなどのきっかけで産むことが多いようです。

皆様もお気に入りのペアで仔引きを楽しんでください。

2014年4月13日日曜日

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説(青水)

宇野系らんちゅうの飼い方の話で良く出てくる言葉が「青水(あおみず)」です。

普通、らんちゅう愛好家の間で青水という場合、植物性プランクトンが大量繁殖し、緑色がかった状態になっている飼育水の事を言います。

水換えをして2週間程度経った飼育水
綺麗な緑色をしています。


青水を透明なコップに掬うとエメラルドグリーンのような色をしているのですが、これは飼育水の中を漂う大量の植物性プランクトンが持つ葉緑素の影響で水そのものが緑色に見えるようになっているためです。(植物プランクトンには緑色以外の色素を持つものもいます)

宇野系らんちゅう愛好家が、青水を意識する理由は、宇野系らんちゅうを青水で飼うと、魚の色が良くなるとか、肉瘤が出やすいなどと言われるためなのですが、実際の所、どこまで影響しているのかは、はっきりとわかっていません。

ただ、冬場(冬眠中)、状態の良い青水で飼われているらんちゅうは、緑色の糞をします(結構な量の糞をします)。
コイ科の魚の中には、好んで藻を食べる種類もいますから、青水中の植物プランクトンを摂取することで、多少の栄養にしているのかもしれませんね。
そういった状態で越冬したらんちゅうは、12月から3月半ばまで餌を切っても、痩せたり肉瘤が小さくなったという印象が無いことは事実です。

さて、では、どの様な青水が良いのか、どの程度水換えをせずに青水で飼うのか。というところが難しいところです。

我が家の飼育水の変化を記録してみたので、それをご紹介します。

水換え直後の飼育水
(全換水後、小さい洗面器1杯分の青水を戻しました)
4日後の飼育水
(緑色が濃くなって濾過器が見えにくくなりました)
10日後の飼育水
(濃い青水になりました。魚もあまり見えません。)

我が家の舟(午前中のみ日が当たる)の場合、大体こんな感じで濃くなって行きます。

但し、青水の進行スピードは、
 ・日光のあたり具合(良くあたるほど早い)
 ・温度(高いほど早い)
 ・魚の収容数(多いほど早い)
 ・餌の種類や与える量(多いほど早い)
などによって変わってきます。

青水飼育の場合も水換えの頻度は、基本的には水の痛み具合で判断すべきですが、
餌をやっているシーズンの場合は、早い人で5日か7日周期、長い人で2週間程度だと思います。
瘤太郎の場合、通常は2週間で、最初の1週間は餌もしっかり与え、8~11日目ぐらいは少し控え目に餌を与え、最後の2日ほどは餌を切って2週間で水を替えます。
ただ、ブクブクの泡がなかなか消えないとか、水の匂いがおかしいとき、あるいは水が濁ってるときなどは、早めに水換えを行うことがあります。

さて、緑色だけど青水なのですが、実は様々な条件で青水の色は変わります。
うっすら白濁するような色の場合は、あまり良い状態ではないと思っていますが、
魚に影響が無い場合の青水の色のバリエーションをご紹介します。


少し茶色がかった青水

青水というよりも赤水?赤潮??
珪藻類が優勢なのかもしれませんね。

最後にアップした赤い水は、海で言えば赤潮の色で、赤潮は魚のエラに詰まって
魚が死ぬと言われますが、我が家の赤水(?)の場合、魚が死ぬようなことは
ありません。普通に健康な状態で泳いでいます。
ただ、やっぱりあまり気持ちのよい色ではないので、全換水して、綺麗な緑色を
している舟の水を入れたりして緑色の青水になるよう調整したりします。