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2020年9月14日月曜日

珍しく更紗系の投稿

当飼育場のらんちゅうは、系統的に素赤が多いのですが、瘤太郎は柄モノが嫌いなわけではなく、どちらかというと素赤より柄モノの方が好きです。

今年は、大きめに育てようとピックアップした仔魚たちを色変わりが終わるまでブルーのプラ舟で飼育して、それ以外を真っ黒のFRPで飼育してたのですが、プラ舟をまめに洗いすぎたのか、プラ舟チームは柄モノが多く、1割ほどは真っ白になってしまいました(^_^;)


水換えは良いけど、苔は残しておくべきでしたね。

 真っ白の魚は、素赤や頭が赤い魚に比べて兜巾の上がり方が控えめになります(なぜなのかは知りません)。兜巾のポテンシャルがわかりにくくなるので、種用に残した魚は白になってほしく無いのですが...時すでに遅し。ですね。

 まあ、でも、良い感じの更紗もいまして、ちょっとうれしかったりもします。

左下の魚は、鼻先に色が乗っていないのが寂しいですが、胸鰭と尾びれに赤が差していて綺麗です。

真ん中は、目の下に白が出てしまっていますが上から見たら面かぶりのように見えるようになるかもしれませんね。(これ以上、白の領域が広がらなければ)

でも、胸ビレに色が乗ってないのが残念です。

この真中の魚、背なりがなだらかで、背幅感があります。メス親が背幅の太い魚でしたから、それを受け継いでいるようです。

ちなみに、サイズですが、尾をいれなければジェリービーン程度のサイズです。

協会系だと、色変わりしてれば親指サイズだと思いますけど、うちのは小さいです。



2014年5月3日土曜日

小さめの明二歳の宇野系らんちゅうの選別

ゴールデンウィークも後半となりました。
空に浮かぶ雲が夏の雲になりましたね。

今日、明二歳の選別をしがてら写真を撮ったので見てください。


選別後ですが、ハネの方です。
サイズは大きい仔がタバコのフィルターぐらいです。
数が多かったので、さすがに成長が遅かったようです。
少し数を減らすことで、残した魚がぐんと良くなってくれることを期待してます。

この舟は、種用の魚を残せれば良いと考えている舟で、既にある程度の選別を重ねてきていますので、後は、好きではない魚をハネていくことになります。

例えば①は、腹付きが浅い(胴が短いのでハネたのですが、この1匹だけを見ても胴が短いのか尾筒が長いのか良くわからないと思います。
でも、同じ舟の他の魚(同胎)と見比べると、①が単に筒が長いだけでなく、腹が浅いことがわかります。
②は全長や腹の幅は同じぐらいですが、胴は①よりも長いので、①は胴が短いのだ。と判断しました。

瘤太郎は小判型や丸手の魚も好きですが、この血統の魚としては、短すぎるということでハネました。

一方、②は、尾筒に背びれの痕跡のような突起があるのでハネた魚です。
もう少し早めにハネておければ良いんですけどね、パソコン仕事のし過ぎで目が悪いので、未だにこんなのをハネてます(^_^;)

背びれの痕跡は帆立のように1本飛び出しているのや、ほぼ背びれ!っていうぐらい立派なものを持ってる魚もいますが、ほんのすこしだけポチッとニキビのようになってるだけの魚もいます。
下の写真は、別の魚ですが、背と腰の境目ぐらいにポッチがあります。


 矢印(⇒)のところですね。
背の中央にこのようなポッチがある場合は、その下に背びれを支える骨である担鰭骨が
隠れている場合が多いです。
種には使うべきではないと思います。
  

2014年4月29日火曜日

明二歳の宇野系らんちゅう(魚の見分け方)

前回に引き続き明二歳です。


前回の記事の仔達とは別の両親から産まれた仔です。
こちらの腹の方が、少し長手の仔が多いようです。

同じ魚達の別の写真がこちら↓





どれが何番の仔か分かりますか?

どの仔も長さは同じぐらいなので、

背幅、腹形、頭部の形やメの付き方などで見分ける必要があります。

もちろん、スボケが1匹と、

尾がくろそぶになってるのが1匹いるので、

それらはわかりますよね。

残りの4匹は背、腹形、頭部の形などで見分けてください。

こっちよりこっちのほうが背幅がある。とか、
こっちの方が腹付きがふっくらしてるとか...
そういう違いを見分けながら、1匹1匹の個性を理解することができれば、
後は残せる数を考えて残したい魚を残せば良いだけ。ということですね。

この6匹の中で、どれを残すか(どれが好きか)は、人それぞれで良いと思います。

2014年3月22日土曜日

冬眠明け二歳の宇野系らんちゅう

お彼岸となりましたので、我が家も始動です。
日中10度を越える日が多くなってきました。

でも、まだ水は冷たいですね(>_<)
魚を掬うときは、お湯を入れたバケツで手を暖めながらじゃないと無理です...

さて、今日は、冬眠明二歳を掬って撮影してみました。
体長35mm程度です。


1番の魚は、全体の体型のバランスの良い仔ですね。
まず、頭部の長さ、胴の長さ、筒の長さと下ろし方を見た時に、調度良いぐらいの比率になっていると思います。
目幅と背幅があり、腹形も良く、腹から筒に掛けてスムーズにつながっているので、しっかりした太さを見せる魚になりそうです。
こういうタイプは、魚任せで育てていっても、バランスのとれた体型に育っていく会向けの魚だと思います。
3番や5番の仔は、1番に比べると、尾筒が長くて下ろし方がゆるいので、腹から尾に掛けて間延び感があります。

2番の 魚は、エラの直後(というかエラの内側)から丸みのある腹のラインが特徴的な仔です。
魚を上から見た時の腹のシルエットのラインが丸みを持っているということなのですが、5匹の中では、2番だけが丸みがあります。(微妙な差ですが)

では、問題。

下の5匹の中で、上の2番の魚がどれか、腹のラインを見てわかりますか?

答えは...

右下の仔ですね。

2番のように、全体のシルエットは細いけど、エラから腹にかけてのラインに丸みを見せる魚を、「柔らかい魚」と言うことがあります。
らんちゅうは、 ある時期(我が家では4歳頃)に頭蓋骨がぐっと幅を増す時期があるのですが、
柔らかい魚は、その時に、背幅もぐっと広がって見えるようになることがあります。

硬い魚は、体の成長を体高方向に持って行ってしまいますが、柔らかい魚は、体の成長を横方向に広げてくれるのです。
ですので、瘤太郎は、種に使う魚は柔らかい方が良い(特にメス)。と考えています。ただし、柔らかい魚は、全体のシルエットを細く見せる魚が多いです。(腹だけぼってり見せるような洋なし型の腹形)
柔らかい魚は、餌をつけすぎるとブヨブヨになっていきますから、ある程度魚の成長を見ながら餌をコントロールしていかなければなりません。
そんな飼い方をしていると、柔らかい魚が仕上がるのは4歳の秋か5歳になってからです。
親としての資質を見極めるには、そこまで待たないといけないということです。
種筋には柔らかい親、会筋には硬めの親を使うのも、そういった考えに基づいています。
(柔らかい魚もじっくり育てれば、6歳、7歳で会に出品することは可能ですけどね)


3番と4番は似たようなタイプですが、4番は背出しの少し後ろから背が高く盛り上がっていますね。
3番はすっとスムーズな背をしていると思います。
どちらも上から見ての判断(写真だけの判断)なのですが、わかりますか?

3番は、鼻先から腹じまいまでは雰囲気の良い魚ですが、筒伸びがあり、尾付けのあたりで少ししゃくれてますね。後、尾が少し大きすぎるかな。
「筒から後ろを隠したら良い魚なのになあ」 なんてボヤいてしまう魚ですね。
胴や肉瘤を重視する場合、尾筒や尾はあまり気にしない人もいます。瘤太郎もさほど気にしませんが、2世代続けて、同じような問題を持つ魚を親に選ばないといったようなことは気にしています。

4番は、背出しの幅があるので、背を抑えていたらもっと背幅を見せていたと思います。
残念ですね。背が途中から盛り上がる魚は、見かけの背幅を太くすることがありますが、
神経棘が長くなっていたり、筋肉の形が悪い、あるいは背骨が奇形...など、何らかの不都合があるはずですから、種には使いたくないと考えています。
この仔については、尾のビビリがひどくならないなら会用になるかな...

さて、上見ではわかりにくい話が続いたので、ここで別の写真を...

きっちり確認しているわけではないですが、多分番号はあってると思います。
アングルが悪くて2番の筒のシャクレはわからないですね(^_^;)

4番と5番の背が盛り上がってるのがわかりますか?
このわずかな盛り上がりを上見で判断できるかどうか...
実際は、分からないはずなのですが、4番なんかは、その血統の平均と照らしあわせて
考えると、これだけ背出しの幅があれば、もっと背幅が太く見えるはずなのに...
という違和感を感じるんですよね。
でも背幅があまり太く見えない...
なので、背が持っているんじゃないか?と疑うわけです。
後は、背の鱗にかかる微妙な陰影で、横から見た時の背のカーブの丸みを想像したりして、
背の高さを見抜いています。
だから、我が家の見慣れた血統の魚なら、上見の写真だけである程度の横見の姿を想像できるのですが、知らない血統の魚だとそうは行きません。

さて、最後に5番ですが、腹の硬そうなスッとした魚という印象です。
たまたま体勢が少し頭を下げるような格好になっているかもしれませんが、
背出しのVが深いですよね。
4番も5番も背が盛り上がっているのですが、4番は、背出しまでは低いです。
それに比べて5番は背出しから高くでています。
ここも微妙な違いですが、読み取っておくべき違いです。

この5番のようなタイプは、兜巾型になってくれるなら置いておくけど、
そうでなければ、「背に嫌な肉を盛る魚」という評価になってしまいます。
兜巾型でも背を抑えたタイプは出てきますので、上見でのシルエットが5番と同じように腹付きが控えめな兜巾型の胴造りをしていて、背を抑えた魚が他にいれば、この魚は種用として期待するのはやめて、会用に仕立てていくことになると思います。
ただ、会用に仕立てる場合は、尾のビビリが強いので、兜巾ブリブリにして、「わ~凄い兜巾」って感じで驚かせる魚になるよう、餌を強めにしていくことになるのでしょうね。

こんな感じで、まだ35mmの小さな魚ですが、それなりに先行きを見通したりしています。
そうじゃないと、なんでもかんでも残さなきゃならなくなりますからねえ。

2013年10月3日木曜日

当歳を残すということ

今日は、当歳の減らし方・残しかたについて、考えてみたいと思います。

当歳の選別といっても、尾の良し悪しを重視して、なるべく早く数を減らしていくという会用の選別と、胴造りや肉瘤の質を重視する選別とでは、 随分考え方が異なると思います。
瘤太郎は、基本的には胴造りや肉瘤の良し悪しを重視しているので、後者になりますが、だからと言って尾形の良い魚に興味が無いわけでもありません。
胴造りや肉瘤の質を優先しながらも、尾形の良い魚を楽しむには、どうすれば良いかなど、瘤太郎なりの実践方法を紹介してみたいと思います。

 ・ ・ ・ ・ ・

らんちゅうは、尾形でハネれば99%までハネることができるのではないでしょうか?
1000匹生まれても残るのは10匹ほどの計算になります。

さらに、品評会に出品できる魚となれば、その中の2匹ほどでしょうか...
残りの8匹は、数合わせで置いておくか、次の世代の種魚として残しておくという感じでしょう。
そして、その作業を、ほとんどの場合、当歳の間に行っている人が多いのではないでしょうか? 

しかし、胴造りや肉瘤の質を重視する場合、このようなハネ方を行うことはできません。
なぜなら、当歳の間は胴造りや肉瘤の質は、なかなか判断できないからです。
結局、多くの当才魚を残すことになります。

ただ、胴や肉瘤の質を重視する場合でも、5歳、6歳まで残す魚は、せいぜい10匹程度。
尾でハネる方法と実はそう変わらないのです。
違うのは、最終的に10匹ほどまでに減らすまでの時間。ということ。
尾でハネる場合は、当歳の間に10匹にしてしまうが、
胴造りや肉瘤を見るなら、4歳、5歳になってやっと10匹まで絞られる。という感じです。

では、瘤太郎の場合、どのような感じで数が減っていくかをご紹介します。

その前に...

  1000匹生まれても、サシばっかりなどといった感じで、
  ほとんど残らないような場合は、この限りではありません。
  あくまでも、それなりの歩留まりだった場合の減り方とご理解ください。
  また、エラも含めて病気で落とす魚を極力少なくすることも必要です。

瘤太郎は、だいたい人工授精で採卵しますので、卵の90%は孵化します。
ざっと1000匹が孵化したとしましょう。

1)泳がない孵化稚魚をハネる

まず、孵化数日経って、大半の仔が泳ぐようになっても、泳げずに丸まってる
ような仔を処分します。これで800ぐらいになるでしょうか。
(50%以上が泳げない仔の場合、何らかの環境条件の不良があったと
みなして、全て処分する場合もあります。)

2)不正魚を針仔の間にハネる 800匹 → 200~300匹

針仔の時期に、奇形、フナ尾、癒着尾、浮けない仔などをハネていきます。
さらに、サシ、ツマミ、その他のヒレの異常が判断できるようになれば、順次ハネていきます。
スボケについては、安直にハネるということはしませんので残ります。

これらの不正魚をハネていくことで、200~300匹ぐらいにまで減らせられれば、
無作為に分割して、100匹ずつぐらいのグループに分割します。
※この時点でも、100Lぐらいのキングタライで飼育しています。

と、同時に、尾形や体型などが整った魚を、20匹程度選抜して別の舟に移し、
会用やポテンシャルを見るために、大き目に育てるようにしています。

舟の数が足りない場合は、尾型を見てスボケや開き過ぎて反り返っているような尾をハネていきます。
何がなんでも残さなければならないかというと、確率の問題ですから、ある程度の数を残しておければ大丈夫だと思っています。1000種類の形質があるわけじゃ無いですからねえ。

3)青仔から黒子の時期は、成長不良の仔をハネる。

青仔から黒子を経て色変わりが終わるころまでは、鱗ができるなど、大切な時期ですから、あまりいじらないようにしています。
成長不良で他の仔に比べて極端に小さい仔や、成長の過程で顕著になる体の歪みや背腰の不良を持つ仔などをハネていく程度です。
100匹ずつにわけた仔から20~30匹ぐらいハネて各池に70~80匹ぐらい残る感じです。
色変わりをする頃は、ピックアップ組(肥育組)が体長30mm程度、一般組は25mm程度です。

4)色変わりの後の選別

下の写真は、一般組の色変わり直後の魚です。胴の太さはタバコのフィルターぐらいです。

 

これぐらいになってくると、基本的な胴や頭蓋骨の型が決まりますから、それらの型を見て判断していくことになります。

上部中央に2匹ならんでる右側の仔なんて、かなりのスボケですが、 この時点でも残っています。
ただ、体の太さの割に、頭蓋骨の幅広感が無く、背出しがV字状に深くなってデコが狭いですよね。

その左の仔は、丸みのある頭蓋骨が良いですね。横の魚にあるような背出しの直後から背の中央を通る白っぽい筋がありませんので、もしかしたら、背の扁平感の強い魚になるかもしれません。

右上角の仔は、 目幅がありますね。腹付きも良いですが、エラしたから膨らみはじめてるので、ちょっと崩れやすい魚かもしれません。

そのすぐ下の4時を向いている仔は、背幅感がありますね。脇腹から尾筒につながるラインもスムーズでやわらかみがあるので、 良い魚になりそうです。

中央下の魚は、この中では一番細いですね。
細いですが、頭蓋骨に長さがある(デコが長い≒広い)ので、ひとまず残してあります。

この時期から冬眠までは、池のサイズと与えられる餌の量の関係で、減らさないと成長しないという状況を回避するために仕方なく数を減らす程度になります。

上の写真の魚で、仕方なく減らす場合は、中央上2匹の右側、中央下の魚って感じですかね。
中央下の魚は、同じような型のタイプの魚がいなければ、残しておくかもしれません。同じタイプの仔がいれば、その中で、一番細く見える仔をハネていきます。

こうやって、ポツポツとハネていくことで、冬眠直前には各池50匹ぐらいになってるのが目標です。
50匹も残すので、かなり小さいままですよ。

冬眠前のサイズ(体長=鼻先から腹止まりまで)は、肥育組が40mm程度、一般組は30mm程度です。

ここまでが当歳の残し方です。
1000匹うまれて50匹X池数+ピックアップ組20匹ということですね。

少し多いですが、翌年の春、雌雄の判別をしてから減らしていくことにしています。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

せっかくなので、2歳以降もいっときますか...

5)2歳の春

あまり小さいと無理ですが、雌雄の確認ができたら、オスだけとかメスだけというようにならないように気をつけながら、同じような型の仔の中で、目幅や背幅の乏しいものをハネていきます。
冬眠明けに各池50匹程度だった魚を、30匹ぐらいまで一気に減らします。
いつまでも沢山飼い続けていると、さすがに大きくなりませんからねえ。
それでも3池に分けているとしたら、100匹近く残っていることになりますね。
この時、胴や頭蓋骨のタイプを見て、筋の基本になるタイプを中心に、その他のタイプも少しずつは残しておくように配慮しています。

6)2歳の夏から秋

この時期は、あまり減らすことは考えず、健康に育てることに留意して、体を大きくさせていきます。
ハネるのは、長すぎる魚や、極端な寸詰まり、目幅や背幅が乏しい魚などです。
背腰のラインが乱れてきた魚もハネる対象にしています。
2歳の冬眠前に頭から腹までが親指ぐらいになっていれば良いのではないでしょうか。
数は、各池20匹ぐらい、3池に分けていれば60匹ぐらいです。
但し、いずれかの池で極端に数が少なくなってきたら、別の池に合流させてしまいます。


7)3歳

この時期も健康に育てる事に留意して育てます。
なお、兜巾の土台もできてくる時期ですので、土台が極端に縦長になっている魚などは、
他の要素でよほど良い所がなければ、優先的にハネていく候補になります。

また、3歳の頃は、減らすだけでなく、胴や兜巾の質が特に良い魚を、別池にピックアップすることも良くやります。
会用の魚をピックアップして別飼い肥育するのと同じように、筋の親としてふさわしい要素を持っている魚を選抜して、別の舟で飼っておくというイメージですね。
3歳の冬眠前に、全体の匹数としては、会用のピックアップ組3~6匹程度、筋の種親用のピックアップ組6~10匹程度、それ以外の魚20匹程度といった感じです。
それ以外の魚は、ピックアップ組の予備軍という意味合いなので、状況に応じて、胴や頭の質の低いものからハネていきます。
但し、兜巾タイプは、細めの丸胴の魚に多いですから、兜巾タイプを残したいなら、少しはそういったタイプもキープしておくようにします。


8)4歳

この時期は、池の許容量に応じて減らすぐらいで、意図的な選別はほとんどしません。
頭と体を合わせた平均的な大きさは、4歳の冬で鶏卵ぐらいです。
 
9)5歳以降

よほどゆっくり育ててきた魚でも5歳になれば、成長は止まると思います。
ここからは、人間と同じように(?)贅肉がついたり、体の張りがなくなっていくような感じで、
魚が変わっていきます。
4歳から5歳に掛けての冬眠明けで、肉瘤の雰囲気もガラッと変わったりする魚がいます。
5歳の春にペアリングも考えて、筋ごとに3ペア(オスは多めに)程度残せれば良いのではないでしょうか。
会用のピックアップ組は別として、筋の種親候補としてメスが3~5匹、オスが4~6匹ぐらい残すような感じです。
それ以外に、肉瘤だけは絶品とか、背幅だけは凄く良いなんて魚を、観賞用として他の筋の魚とごちゃまぜにして飼ったりしています。

とは言え、残しかたは、会用の筋、種用の筋、肉瘤の筋などで、微調整していますので、
そのあたりは、またそれぞれ個別に紹介していければと思っています。


当歳の残し方・・・ といいながら、結局5歳以降まで書いてしまいましたが、
要するに、胴の質や肉瘤の質を重視している私でも、当歳を全部残しているわけではありません。
収容できる数には限界がありますから、適正な数にまで減らしています。
ただ、減らすときに、尾だけで減らしているわけではなく、胴の型を見て同じようなタイプの中で、より魅力の乏しい魚を減らしていっています。

それでも尾だけの選別に比べれば残す数は多いです。
そんな中に、尾の良い個体も混ぜてしまっては、せっかく会用に使える仔でもポテンシャルを発揮できません。
だから、尾の良い個体は、逆にピックアップして、少ない匹数で肥育するようにしています。

そして、残りの仔を成長が止まらない程度の匹数に調整しながら、健康に育てていきます。

ある程度、胴造りの質が判断できるようになってきたら、それらをまた別飼いにして、肥育していき、筋の親としてのポテンシャルを検証する。という仕組です。

そうやって、1腹1000匹から、5歳ぐらいで10匹程度にまで減らしていくような感じです。


ポイントは、除去と選抜を使い分けること。 だと思っています。
全体の中から明らかに不要な個体を除去することと、飛び抜けて良い個体を選抜して肥育する。それ以外は、もう少し判断できるまで残しておく。
そういった考え方を基本にしておけば、会用も種用も、それぞれに残していくことができると思います。

2013年8月24日土曜日

胴の型の違い

今日は、こちらの3匹を見ながら。


種用系統の当才魚です。
尾の形や開きがそこそこに良い魚だけをピックアップして育てている20匹の群の中の3匹です。
全長は、3匹ともほぼ同じで30mmほど。


目幅


背幅


胴の型


比べてみていかがでしょうか?



上の3匹の向きと長さを揃えて、
並べてみたのが下の写真です。


右の魚が細いことは、わかりますよね。



では、さらに。


補助線をつけてみました。

当歳の宇野系らんちゅうの選別





左と中央の目幅は、ほとんど同じ。右は目幅が少し狭いですね。

背幅は、矢印の先端のあたりの幅で見るのと、矢印の下あたりで見るのとで
違ってきますが、瘤太郎は、矢印の先端付近で見ています。

左の魚と中央の魚の背幅を比べると、矢印の下のあたりの背幅は変わらない
のですが、先端あたりの背幅でみると、中央の魚は少し狭くなっています。

極端な言い方ですが、背出しから筒のあたりまでの背幅の幅を、
線で描くと、左の魚は V  中央の魚は ( ) になっているんです。

ある意味、右の魚も V 字型なのですが、そもそも背幅が細いですよね。

左の魚のように、広い背幅を、背出しからしっかり出してくる魚が貴重です。

背出し部分の背幅の有無は、頭蓋骨の形状によって左右されるようです。
頭蓋骨の背出し部分が扁平で広ければそれにつられて背出しも扁平で
幅広くなると考えています。
この頭蓋骨の形状が、背を抑えた幅広の骨格を持つらんちゅうを作る
上で、重要なポイントだと考えています。


また、 背出しの部分まで広いということは、首が上向きに付いている場合が
多いということ。そのため兜巾も前のめりになりにくく、後端までどっしりと
広い兜巾が乗る可能性が高いです。



さて、もう1つ補助線を付けた腹型についてですが、

左の魚よりも中央の魚のほうが、腹の重心が下(後ろ)にあると表現しています。
左は卵型の腹、中央は水ナス型の腹と呼び分けています。


卵型の腹型を持つ魚は、横への張り出しが充実した頭と組み合わさることで、
宇野系らんちゅうの魅力を「曲線美」として表現してくれます。
但し、腹付きが浅くなるので、 筒が間延びすると下品になります。
また、上見で峰っぽさが目立つと梅干しのタネのように見えるので、
背はしっかり抑えている方が良いと思います。

また、餌が強すぎると、エラ下(エラのすぐ後ろ)からムチッと膨らんでしまうので、
エラ下がスッキリと丸みを帯びるように調整したいところです。

中央の魚のような水ナス型は、会用に仕立てるには、最適です。
水ナス型の魚は、腹の重心が後ろにあり、腹じまいがふっくらするので、
全体として、どっしりとしたシルエットになります。
獅子頭で適度な長さの筒と組み合わされば万人受けする魚に仕上がるでしょう。
ただし、龍になるか、獅子になるかは、系統的なものはあるにせよ、
3歳ぐらいにならないと、わかりません。
なお、水ナス型の魚、腰が高いと腹と筒の境目のくびれが目立つようになり、
筒が細く見えてしまいます。
なるべく、腰のくびれが目立たず、腹から筒に向けてなめらかな曲線を
持つふっくらした感じの魚を残していくようにしたいです。


さて、右の魚ですが...

腹の型は、腹がほとんど横に張り出さないので胡瓜型と呼んでいます。
胡瓜型の中でも背幅と腹幅があまりかわらない場合、丸胴ということに
なります。

兄弟が皆細い場合は、そういう系統なので。ということで終わってしまいますが、
血統的に幅の出る血統で、肉瘤もしっかり載る系統の場合、
右の魚のように、胡瓜腹で丸胴の場合、兜巾型の魚になることがあります。

ただ、腹幅があって、背幅が無いパターンで、特に背出しが細くなっている場合は、
オカメタイプや龍頭タイプになる可能性のほうが高いです。

丸胴の兜巾タイプは、ぽってりと大きな兜巾を載せることがあるので、
尾形の良い魚は、残しておいて、飼いこんで楽しみをとっておくのも良いですね。

ただ、絶対に出るというわけではないですし、兜巾タイプは4歳、5歳になってから
完成するという晩成タイプが多いので、ま、気長に。

なお、写真の右の魚は、それにしてもちょっと頭蓋骨が小さすぎますね。
これでは兜巾が載る土台が作れません。
せめて、左のエラが赤くなってるところぐらいまで背出しが下がってれば
期待出来たかもしれませんが。

ということで、この3匹の場合、

左は、柔らかさや背幅など、種用の質を見極めていく。
中央は、会用兼柔らかみがでてくれば種用にもというどっちも狙い。
右は、とりあえず尾形も良いので、兜巾タイプならラッキーの数合わせ。

という感じでピックアップしています。

ピックアップして大きくしている魚は、全て会用ということではなく、
ある程度大きくしないとわからない種としてのポテンシャルを評価するために
別飼いして大きめに飼っているという意味もあります。
で、尾形が良ければ、種にはダメかなって時は、会用にって感じでしょうか。

2013年8月21日水曜日

全長30mm弱の仔


尾先まで含めても30mmに満たないような当才魚
京都筋宇野系らんちゅうの当才魚
 同胎で、同じように育ててきた、同じぐらいの全長の魚、3匹(左、右、下)です。
 尾形で残すなら、右と下でしょうか。(ちょっと尾が大きいですが)
でも、瘤太郎が順位を付けるなら、左→右→下の順です。
左の魚が、一番骨格のバランスが良さそうです。
また、背から腹にかけてのふっくらした感じが、柔らかさを演出しています。
下は、目幅も背幅もなく、腹が浅い(筒が長く見える)ので、会用にしかなりそうにありません。
右の魚は、特に悪くはないのですが、左の魚と見比べると、太みに欠けます。
ただ、頭骨は大きいので、今後、成長とともに全体の印象も変わってくるかもしれません。