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2015年11月1日日曜日

その後、4週間(動画を追加しました)

前回のアップの前に、久しぶりに水換えをしてから4週間。

その後、控えめに餌をやっていました。

多少、ふっくらもしてきた様子。

種用三歳 




ちゃんと世話をしていれば、もう少しコブも出ていたとは思いますが、
今年は、ほとんど世話ができなかったので、まあ、元気でいてくれただけでありがたいです。

どの魚も背出しが深いですね。
「背出しがまっすぐ」という話と「背出しの深い」というのは、また違う話で、首が上向きに付いているという指標にもなるので、私は好評価の材料としています。

ただ、頭が長く見えるので、よほど目幅が無いと、細く見えるようになってしまいますね。

左上の魚や右端の魚は、 背出しの深さに加えて十分な目幅を持っていますね。
目幅だけでなく頭蓋骨後端(おでこの後ろ?)も十分に幅を持っているので、背幅感もあります。
成長とともに目下の肉瘤が張り出してくれば、見応えのある魚になりそうです。
背出しが深いとどうしても兜巾の土台が長方形になるので、兜巾もしっかり膨隆してほしいところです。(兜巾が出なければ、顔が整わないと思います。)

左下の魚は、他の魚に比べると目幅が寂しい気もしますが、胴の雰囲気が良いように思います。
全体のシルエットを見た時に、エラ下のすぐ後ろ(エラ下)の胴の出始めの横幅が変に張りすぎず、すっきりと胴が出始め、腹じまいにかけてゆったりと膨らんでいます。(硬さが無いなんて言ったりします。)
先に説明した2匹などは、エラ下からパンと張っているので、なんとなくだらしない感じ。っていうのかな...
で、現段階では、左上や右端の魚の方が背幅感はあるのですが、左下の魚の持ち前の柔らかさが先々発揮されると、ぐっと背幅を増してくる時期が来るんですよね。(来るか来ないかはまだわかりませんけど)
そうすると、背幅感が格段にアップして腹付きも良い感じの魚になったりします。



種用2歳
こちらは、二歳魚です。
同じく、餌を与えられなかったので、当歳の冬と変わってないかも...

頭の形が独特ですね。
目の後ろが張り出していて、エラでまたギュッと絞られてるって感じです。

こういう魚って、独特の背幅感を出すことがあるらしいのですが、この魚もなんとなく
背出し部分の背幅感がしっかりしている印象です。

種用2歳

上の2歳を同胎の魚と一緒に撮影した写真です。上の仔は、左中段で
9時方向を向いている仔です。
頭の形が違いますよね。(目が斜めに出っ張ってついてるだけって気もしますが)

背幅感も他の同胎に比べて少し違うようです。
左したの仔も背幅感の良い魚ですね。
この腹は、全体的に柔らかくて体型が壊れやすい魚が多いようです。
餌の量に気をつけて、じっくり大きくしていかなければなりませんね。
(え、ああ、今年の私の育て方では、小さすぎますけど...)


と、まあ、今年は、世話ができず、結局品評会もほとんど行けなかったので、
一人品評会みたいな感じでしたが、そもそも会用は人にあげることが多いので、
残ってないし...
一人勉強会ですね。

まあ、こういった楽しみな魚が残ってくれただけで十分ということにしておきます。


随分寒くなってきましたけど、もう少し餌、付けられるかな。

2014年9月11日木曜日

出品していただきました(兜巾筋の当歳魚)

らんちうディスク様の質問(コメント)への回答(コメントへの返信)として、兜巾系血統のブリーディングをされていて、販売もされておられる方を紹介させていただきましたが、せっかくなのでということで、ヤフオクに当歳魚を出品してくださいました。
http://sellinglist.auctions.yahoo.co.jp/user/dsdpd285 
( 終了予定日時: 9月 13日(土) 19時 15分 )

こちらが出品中の当歳魚の親魚の写真です↓

(ご注意)瘤太郎の魚ではありません

多分、上がオス(兜巾タイプ)で、下がメス(獅子頭タイプ) なのでしょうね。
メスも兜巾血統から出てきた獅子頭なのでしょう、肉瘤の肌質も良いですね。
とても良い組み合わせだと思います。

ヤフオクのページには、出品中の当歳の同池の魚(参考魚)の写真もアップされていますので、
参考になさってください。
http://sellinglist.auctions.yahoo.co.jp/user/dsdpd285
( 終了予定日時: 9月 13日(土) 19時 15分 )



それにしても、相変わらず凄い肉瘤です(^_^;)

2014年8月25日月曜日

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説(背なり) 

背なりというのは、横から見た時の背中のラインのことで、ラインが良い時は「背なりが美しい」とか「綺麗な背なり」というように表現します。

最近は、宇野系に限らず協会系においても背なりを意識する人が増えてきているようです。

協会系では、背出しから1文字に伸び、腰から尾筒に掛けて適度な丸みを持って下ろすような背なりを好む人が増えているのではないでしょうか。
 さて、イラストを見ながら話を進めたいと思います。


宇野系らんちゅうで、良く見る背なりは、2と4と5です。


1は、一部の愛好家の一部の血統でしか見られないタイプだと思いますが、体高を抑え、フラットな背なりを持つタイプです。
腹も必要以上に丸くなっておらず、とにかく体高がコンパクトです。
この背なりで、骨格と筋肉の形を改良していくと、充実した背幅を持つ魚に仕上がっていきます。

また、首が上向きにつきやすい背なりなので、顔も良くなります。
 ただ、体全体のシルエットを小さく見せてしまう という面もあるので、迫力のある魚を育てようとすると、難しいかもしれません。
そのため、腹型の良い魚を選び、形の良い肉瘤を載せていくようにして見栄えを演出する必要があります。

2は、良く見るタイプの魚です。
背出し(背中と肉瘤の境目)から少し斜め上方向に背が伸び、さほど高くなく適度な丸みをもって筒へと流れていくような背なりです。
バランスの取れた魚に仕上がるタイプが多いです。

3は、首高やゴツと呼ばれる背なりです。へ腰という場合もあるようでうs.
背出しの後ろで、盛り上がったように背が高くなります。
この部分を上から見ると、背幅が付いているように見えますので、上見重視で選別すると、
ついつい残してしまう魚です。
ただ、ゴツがある魚は、成長とともに、その部分がどんどんいびつになっていく場合があります。
瘤太郎は、基本的には残しません。
というよりも、当歳から2歳をスローペースで飼育すると、ゴツになる魚が少ないように思います。


4は、腰高の背なりです。
このタイプが主流となっている宇野系愛好会も多いです。
このタイプは、筒元を太く出しているように見せる魚が多いです。
上見で筒の太い魚を意識して選別していると、良く残ってしまうタイプです。

5は、昔から「柘櫛のような背」として、らんちゅうの基本のように言われてきた背なりです。
吻端部から大きく弧を描くようなラインで、腹側も丸くなっている場合が多く、体高があります。

 6は、背の途中に凹みがある背なりで、軽いものであれば選別でハネずに残す人もいるようです。ただ、このようになる魚は、背骨が湾曲している場合が多いので、瘤太郎は早い段階でハネます。

宇野系の愛好家の会話の中で、時々、「背を抑える」という話が出てくることがありますが、
このように変にへこんでいる魚のことを言うのではなく、1もしくは2のように低く出て素直なラインで腰へとつながるような背なりを、「低く抑えた背」といいます。


最後に、写真を...

「良い魚」として紹介するわけではないです。たまたま手元にあった写真です。

2歳で、頭から尾筒までが100円玉を2つ並べたぐらいです。
基本的には上のイラストでは2に該当する魚ですね。
ただ、4歳、5歳と成長する過程で、体長が伸び、大きな兜巾を乗せてくると、
1に見えるようになる場合もあります。


こちらの写真の魚↓は、1に近いですかね。
ただ、ちょっと腹が垂れてますね。
餌を付けた時に、腹が下へ垂れて膨らんでいるような状況を、
「腹が食い下がっている」 と表現することがありますが、
この魚はそんな感じですね。(実際には餌を食べた直後なんだろうと思いますが)

2014年7月28日月曜日

らんちゅうの型(かた)とは ~兜巾頭と獅子頭の型(その2)~

肉瘤の上がり方を胴の型で予想する...

普通に考えると関係無いだろうと思うような話ですが、
肉瘤の上がりの良い筋を維持しておられる方の池を見せてもらうと、
この法則が成り立つ場合が多いです。

肉瘤の型と胴の型をセットで考えるメリットは、

1)肉瘤の型と胴の型が一致することで、バランスの取れた魚に仕上がる。

2)胴の型が違うと、餌の与え方が同じでも仕上がり方が違うので、胴の型に合わせて
  餌やりを調整することが可能になる。

3)兜巾頭は肉瘤の発達が遅くなりがちだが、胴の型で見分けておけば、
  こいつは兜巾型だからもう少し待ってみるか...という判断ができる。
  #いつまで経っても上がらない個体も居ますが(^_^;)

と、言ったようなところです。

例えば、兜巾頭型と獅子頭型では、獅子頭型の方が少ない餌で仕上がることが
多いようです。
言い換えると、獅子頭型は餌を付け過ぎると壊れる(腹が出すぎる)ことが多いです。
そのため、獅子頭型と兜巾頭型を同じ舟で飼っていると、獅子頭型が崩れないように
ついつい餌をセーブしてしまいます。
そうすると、兜巾頭型は、その量では足りず、身体も仕上がらず、肉瘤も充実しづらくなります。


そこで、胴の型を見て、兜巾頭型の胴を持つ魚を別に分けることができれば、兜巾頭型の魚にあった餌を与えることができるということです。



さて、兜巾頭型と獅子頭型の胴の型をイラストで表現してみました。


左の獅子頭が胴の後ろ半分が張り出す水なす型の胴を持っているのに対して、
右の兜巾頭は胴の前半分も後ろ半分もさほど太さが変わらないキュウリ型やナツメ型の
胴を持っています。
そして、兜巾頭型は、腹幅が狭い分、背幅の割合が広く見えることから、
単体で見ると、広い背幅を持つ丸胴に見える傾向があります。
胴の側面には柔らかい感じは少なく、パンパンに張っているという印象を持つ
個体が多いです。

兜巾頭型が出る血統の魚を飼育している人は、同じ胎の中で、胴の型を見比べてみて、
キュウリ型・ナツメ型の丸胴っぽい個体がいたら兜巾頭型の魚かもしれない。と思って、
大事にしてくださいね。
数匹に1匹ぐらいは、ぽってりぷるんとした見事な兜巾を乗せる魚に仕上がるかも
しれませんよ。

2014年7月27日日曜日

らんちゅうの型(かた)とは ~兜巾頭と獅子頭の型~

今回もまず写真から。


少しピンぼけですが、同胎(同じ親から同じ時に採った卵の中の2匹)です。
ずっと同じ舟で飼育してきて、全長もほぼ同じです。
今、4歳かな?(多分)
尾を見れば分かる通り会用に残した魚ではありません。


この2匹で、獅子頭(ししがしら)の体型と兜巾頭(ときんがしら)の体型の
説明ができそうなので、写真に撮ってみました。

ちなみにこの子達の親は、メスは獅子頭系統の獅子頭。
オスは兜巾頭系統の獅子頭でした。
もちろん両親とも宇野系らんちゅうですが、血は少し遠い(10代ぐらい前に共通の
祖先が居る程度)です。

左の子は、獅子頭になるタイプです。
目下や吻端の肉瘤が膨らんできているのがわかると思います。
右の子は、兜巾頭になるタイプです。
左の子に比べて目下や吻端の肉瘤の発達が乏しく、兜巾の土台も小さいです。

顔つきがこの程度まではっきりしてくれば、顔つき(肉瘤の付き方)だけで獅子と
兜巾を見分けることができると思いますが、これをもっと早い段階で見分けるには、
胴の形の違いに注目して見分ける必要があります。

左の子の胴の断面は、水入り風船をボテッと置いたような感じで、横っ腹が横に張り出して
いて、背出しよりも腹じまいに掛けて水ナス型に膨らんでいっています。
これに対して、右の子の胴は、パンパンになったハムのように背出しから腹じまいに
掛けての変化が無く、ズンドウのようになっています。
(微妙な違いなので見分けるのは難しいと思いますが)

この体型の違いは、肉瘤が発達する前から同じですので、獅子タイプと兜巾タイプを
区別するときに役に立ちます。
(もちろん、兜巾体型なのに獅子になったりすることもありますが、その場合、何となく
バランスの悪い魚に仕上がっていくと思います。)

2014年5月6日火曜日

宇野系らんちゅうの顔と肉瘤のあれこれ

小さな明二歳の記事が続いたので、今日は迫力のある写真を見ていただきたいと思います。
水換えがてら撮影した我が家の会用血統の写真です。

全て同胎の兄妹で、体長(口先から尾筒の先まで)60~70mm程度です。
兜巾の形や側(がわ:目の下、ほっぺた)の肉瘤の形が色々なのでご覧ください。

左:獅子頭・なつめ型、目下の肉瘤の張り出しが良い
右:獅子頭、水なす型、兜巾がフンタンに流れている



左上:獅子頭・水なす型、目下のスッキリしたタイプ
中央:龍頭・水なす型
右下: 獅子頭・水なす型、丸兜巾、胴が良い


面更紗
左右は龍頭気味、中央は兜巾タイプ


少し龍頭ぎみの獅子頭


スッキリした顔立ちの面更紗
ベタ赤のヒレが美しい
面更紗としては背幅を見せる


兜巾タイプの(ほぼ)面かぶり
こちらもベタ赤のヒレが美しい


どの魚も魅力的な顔をしてますでしょ(^_^)

吻端(フンタン)の飛び出し具合はどの魚も同じような感じですが、側(がわ)の張り出し具合や兜巾の形は色々ですよね。

獅子頭、兜巾頭、龍頭、おかめ頭...  全て揃ってるんじゃないでしょうかねえ(^_^;)

とある宇野系の魚を1ペア導入してから4世代兄妹掛けを繰り返し、ようやくイメージに近い仔を出せるようになってきました。

とは言え、肉瘤、目幅、首の付き方、背幅、腹形、尾筒などのパーツが、全て種親として納得できるレベルに揃っているのは、ほんの数匹です。
 綺麗な尾を持つ魚だけを選別してしまっていたら、 余程の幸運の持ち主で無い限りそんな魚は残らないでしょうね。

なので、瘤太郎は種親用は尾を一切構わずに選別を行っています。

2014年5月3日土曜日

宇野系らんちゅうの楽しみ方(前掛かりの効いた尾)

らんちゅうの鑑賞のポイントをざっくり分けるとしたら、頭(肉瘤)、形(胴)、尾 、色柄ということになると思いますが、瘤太郎の場合、頭や形が優先で、尾に関してはあまり気にしていません。
そもそも品評会に出品することよりも、良い種親を残すことの方が面白いと思っているので、種親にとって大事なこと(=頭や形)を優先しています。

もちろん「良い種親」は、「良い魚」を産ませるために存在するわけで、「良い魚」は「良い尾」を持っているべきだと思います。
で、あれば、種親も尾を重視しなければならない...と考える必要がありそうなのですが...
瘤太郎の経験では「尾」は、遺伝の振れ幅が大きいパーツですので、尾の悪い親からでも、尾の良い仔がでてきます。(逆にバリバリの尾の親でとっても、ヘロヘロの尾の仔がいたりします)

そのため、種親選びでは、遺伝の振れ幅が小さい「頭」や「形」を優先し、産まれた仔魚の中に、尾の良いのがいたら、ピックアップして会用に育てるというスタイルでやっています。

ちなみに、尾が良いということでピックアップした会用の魚でも、胴や頭の質が良いと思ったら、会用の舟から種用の舟に戻したりします。
 
と...、前置きが長くなりましたが、まあ、宇野系らんちゅうの育種という面では、尾はさほど重要視していないのですが、それでも尾の良し悪しを見分ける眼力は養っておきたいものです。

今日は、選別の時に面白い魚がいたので写真を撮っておきました。


前回の記事と同じ種用の舟に居た仔なのですが、前掛かりの効いた張りの良い尾を持つ仔です。

「前掛かり」とは、尾の一番前の軟条が付け根から少し前に向いて伸び、途中からカーブを描いて後ろに流れる状態を言います。
写真の魚は、矢印の当たりまで前にせり出しているのがわかると思います。

宇野系の場合、必ずしも前掛かりが効いている必要は無いと思うのですが、協会系では品評会に持っていく魚の場合、前掛かりが効いた張りの良い尾を持つことが重視されています。

宇野系でも品評会用の魚を創ることを主眼としている愛好会では、前掛かりの効いた尾を持つ会魚が評価が高いようです。

ちなみに、下の魚(同胎)も開きの良い尾を持つ魚ですが、
あまり綺麗な尾とは言えないように思います。


 なんというか... 単に開き過ぎというか、でかいだけというか...
筒の間延びもアンバランスの原因の1つだと思います。

上の魚も、現時点では、体の大きさに対して少し尾が大きいようですが、
いずれ体が大きくなってきたらバランスが取れ、綺麗な尾を持つ魚になると思います。
しかしながら、下の魚は、あまり良い魚にはならないと思います。
微妙ですが、やっぱり尾形も、ちょっとした良し悪しのポイントのようなものがあるのでしょうね。

2014年4月27日日曜日

京都筋宇野系らんちゅうの産卵時期

昨日今日と半袖で十分なぐらい暑かったのですが、
先ほどYahooの過去の天気で調べたら昨日の京都南部の最高気温は27度...
今日も25度。暑いわけです...

どの舟も雄魚はしっかり追い星を出しています。
メスの腹はまだそんなに柔らかくは無いですが、しっかり卵を持ってるな。とわかる個体も何匹かいます。

宇野系京都筋らんちゅう種親(オス) 

日中の気温が25度を超え、最低気温が15度ぐらいになってくると、
魚任せでも産卵が始まります。

瘤太郎の家では、明2歳は小さすぎて卵を持つサイズではないので、
産卵は3歳以降になりますが、3歳→4歳→それ以上というように、若い魚から産卵を始めるようです。

私の知人の多くもそうですが、いわゆる協会系のらんちゅう愛好家は12月から親魚を加温し、年が明けるやいなや仔引きをする人が多いようですが、比較的採卵時期の遅い宇野系らんちゅうでも、秋の品評会で当歳魚の出品を考えている人は早くから加温して採卵しているようです。

瘤太郎は基本的には産卵は魚任せです。らんちゅうを飼い始めた頃は、加温して3月に採ったりもしてましたが、のんびり飼うようになってからは、魚が勝手に仕上がって卵を産むまで待ってます。
というか、最初の卵は放卵させ、その20日程度後の大潮の前に、水換えをして魚巣を入れて刺激し、産ませることも多いです。
桜が散る頃からがシーズンになりますが、5月になってから産み出す年の方が多いですね。

ただ、5月は朝の水温が下がるので、ヒーターを入れておかないと、稚魚が一気に溶けるように落ちていくことも多いようです。

朝の最低水温が20度を越えるようになればヒーター無しでも稚魚の歩留まりは良くなってきます。

ときどき水温が高くなってから仔引きをすると奇形が増えるなどといった話を聞くことがありますが、瘤太郎は7月になってから産まれた仔を育てることが多いです。もちろん何の問題もなく育っています。
確かに、小さいまま冬眠することになるので、厳冬期は覆いをかけるなどしないと松かさのような状態になる魚が増えてしまいますが、それさえ気をつけて越冬できれば大丈夫です。

今年採りたいペアです。

上のペア、冬眠前にミスで魚を傷つけてしまったので、鱗が汚くなっているのですが、
何とか回復して元気に泳いでいます。
オスは、これぞ獅子頭というような充実した肉瘤が魅力です。
メスは胴の作りの良い魚で、兜巾も水饅頭様のしっかりした肌質を持っています。
尾はスボケですが、あまり気にしていません。
この2匹は同胎の兄妹です。明2歳で50匹ほど残し、繁殖サイズになった時に20匹ほど残していましたが、胴造りと兜巾の質は、このメスが一番でした。
胴や兜巾(肉瘤)の遺伝子を残すためには、 スボケだからといってハネていては残らないという例の1つですね。
(念のため書いておきますが、協会系の硬い尾は別として、宇野系の尾形であれば、片親がスボケでも大丈夫だと思っています。※この2匹のメス親もスボケでしたが、写真のオスのような綺麗な尾形を持つ魚は沢山居ました。結局は針仔の間の餌の量で尾の開きは随分変わるようです。)

 さてさて。いずれにしてもそろそろ自然産卵もシーズンインですね。
オスがメスを追尾するような行動(追い行動)を見せ始めたら、大潮や雨、水換えなどのきっかけで産むことが多いようです。

皆様もお気に入りのペアで仔引きを楽しんでください。

2014年3月12日水曜日

小さくても魅力的な宇野系らんちゅうを創る


魚と一緒に瘤太郎も冬眠状態でしたが、先日、いくつかの舟を
水換えしたので、久しぶりに...

今年も大ごとになるような舟は無く、無事越冬してくれたみたいです。
とはいえ我が家の当歳は極端に小さいので、寒さと古水で松かさになって
しまう魚もいるのですが、全換水の後、治ればそれで良しとします。


ちなみに、冬眠明けの水換えも一気に全換水です。
コケだらけの舟もクリーニングするので、ピカピカです。
水合わせは舟から古水のまま退避させた洗面器に
浄水器を通した水道水をちょろちょろと注ぐ程度です。


よく、全換水すると調子を崩すといいますが、我が家は、
エラを含めて病気らしい病気はしないので、水合わせだけで十分です。
 なぜ、大丈夫なのかの説明は、またの機会にして、

今日は、魚のサイズ(というより小さく飼うこと)について少し...


さて、我が家の冬眠明けの当歳が、どの程度小さいかと言うと、
一番小さい舟だと

こんな感じ。
左下の排水弁の白い部分 が500円玉ぐらいなので、
小ささがわかってもらえると思います(^_^;)

協会系の魚なら、60日あれば、これより大きくなってますよね(^_^;)


らんちゅうは多様であるからこそ面白いと言っているように、
瘤太郎は、大きならんちゅうも好きです。
日本らんちゅう協会の品評会に行くと、「洗面器に入れるのは無茶でしょ!」
と言いたくなるようなサイズのらんちゅうがいますが、凄いですよね。

餌やって水換えて選別して、餌やって水換えて選別して...
その作業を繰り返していくことで、どんどん大きくしていくのですが、
瘤太郎は、時間的にも経済的にも飼育環境的にも、そういった飼育は無理です。

それに、胴の造りや肉瘤の質も楽しみたいと思っているので、ある程度の数の魚を、
ある程度大きくなるまで残して置かなければなりません。
選別で早々と数を減らすというようなことができないんです。

そんなこんなで、大きく飼うのは無理だな... と悟ったんです。

だから、小さく飼っている。というのが本音です。


そして、小さくしか飼えないなら、小さくても魅力的ならんちゅうを創りたい。と、
思うようになったんです。



▼小さくても魅力的ならんちゅうとは

小さくても魅力的ならんちゅうと、単に幼いらんちゅうは、違います。
幼いらんちゅうは、肉瘤の発達が無く、背の峰っけも強く、腹型も未完成です。
体長8cmの魚(幼く見える)
12cmぐらいまで大きくして、とにかく太らせないと
親魚としての貫禄はでない。


一方、小さくても魅力的ならんちゅうは、十分に発達し均整の取れた肉瘤を持ち、
背幅を見せ、ふくよかな腹型を持つ魚です。

体長7cmの魚

このサンプルは、さほど背幅のあるタイプの魚ではないのですが、
充実した肉瘤と腹型で、魅せてくれる魚になっています。


通常、肉瘤を大きくしたり、背幅や腹型を付け、親魚としての風格や貫禄を
見せるようにするには、しっかりと餌を与え、太らせ、体長が10cmを超える
ぐらいには育てていかなければならないと思います。

しかし瘤太郎は、体長7cm程度でも、十分貫禄のある魚を造れるような
血統を創りたいと思っています。

瘤太郎の魚をネットなどの写真でしか見たことが無い人が、実物を見に来た時、
「えっ、こんなに小さいの!」と驚かれることが良くあります。
写真だと比較対象が無いので、大きさがわかりにくいのですが、
魚の完成度から10cm以上はあるだろうと思っておられるのでしょうね。
でも、我が家では7cmあれば大きい方なので、驚かれるのです。

このように、小さくても宇野系らんちゅうの肉瘤や胴造りの良さを楽しめる
血統が作れれば、飼育環境に恵まれてなくても、より多くのらんちゅうを
育てることができ、らんちゅうの個性を楽しむことができます。

餌やりと水換えを繰り返さなくても、のんびりゆっくりと育てていくことが
できるようになります。


そのようならんちゅうが、「小さくても魅力的ならんちゅう」 であり、
そういったらんちゅうを飼う楽しさだと思っています。


▼小さくても魅力的ならんちゅうの育ち方

続きはまたそのうち...

次回は、
そういったらんちゅうは、何歳ぐらいで完成するの?
なぜ、小さくても肉瘤が発達するの?
当歳、二歳、三歳の頃は、どんな飼い方をするの?
というような事を書いてみたいと思います。

2013年11月3日日曜日

宇野系らんちゅうの兜巾の話(肌質と高さ)

前回につづいて兜巾に関するお話です。

色々なスタイルで楽しむことができる「宇野系らんちゅう」ですが、
肉瘤を楽しむ場合は、 兜巾についての知識を増やしておくと、より一層楽しめると思います。

まずは、こちらの写真から。

宇野系らんちゅうの兜巾のバリエーション


同じ系統の3匹です。(出生年は違います)
上の魚の兜巾の肌質と下の2匹の兜巾の肌質は、あきらかに違いますよね。
上の魚もかなり高さのある兜巾を持っているのですが、 肌質としてはカリフラワー状というかブツブツ感が目立ちます。

下の2匹のうち、右の魚は、ブツブツ感の少ないなめらかな肌質を持つ兜巾ですが、高さはあまりありません。

左下の魚は、ブツブツ感の無いなめらかな肌質と高さを持つ魚です。

左下の魚を写した写真をもう1枚。

美しい兜巾を持つ宇野系らんちゅう

ブロッコリーのような溝がほとんど無いぽってりとしたこしあんのような肌質を持っていることがわかります。

で、この兜巾を横から見ると、

横から見た宇野系らんちゅうの兜巾

こんな感じです。
水から上げると兜巾の表面に粒状感が全くないことが良くわかりますよね。
口の中で溶けたアメ玉のようになめらかです。
我が家では、このようななめらかで、大きく、高く、膨隆感を持って隆起する兜巾を持つ魚が時々生まれてきます。
この兜巾の形質を遺伝子として残していきたいと思っています。

皆さんも、もし池でこのような肌質の兜巾を持つ魚を見つけたら、胴や尾が多少悪くても是非残してみてください。


宇野系らんちゅうを「肉瘤」にフォーカスして楽しむ場合、兜巾の大きさだけでなく、兜巾の肌質や膨隆感も意識すると、また違った魚になってくると思います。

さて、兜巾の肌質の1つの表現である「なめらか」ということについての説明はこれぐらいにしておいて、横見の写真をアップしたついでに兜巾の高さについても少し書いてみたいと思います。3枚目の写真を少し加工してみましたのでご覧ください。


黒い点線は、兜巾の端部をなぞって書いたもので、黒い矢印は、兜巾の端部からてっぺんまでの高さです。

一方、青い一点破線は、魚体の輪郭を推定して書いたもので、青い矢印は、魚体の輪郭からてっぺんまでの高さです。

瘤太郎は、兜巾の高さを評価するときは、青の矢印(実質的な高さ)で評価するようにしています。
兜巾の前の方から後ろのほうまで、青い矢印の高さがしっかりあれば、どの角度から見ても、
立派な兜巾を持った魚だとわかります。
 この魚は、現時点で青い矢印の高さで6mmぐらいです。

まだ若い魚なので、これから2年ぐらいは成長を続けると思います。


実は、この魚、すぼけ尾で細長かったので、二歳の頃はハネ水槽にいたんです(^_^;)
で、三歳の春にハネ水槽の水換えをしているときに、兜巾の土台の形が異質だったので(まだ隆起はしてませんでした)、あれ何だこいつ?って感じで気が付いて、胴の型も兜巾型(胡瓜型)なので、もしかしたらと思って、選抜魚水槽に昇格させたんです。
同胎の獅子頭タイプの魚が四歳の春には兜巾がそこそこ隆起していたのに、この魚の兜巾が見れるようになったのは4歳の秋になってからでした。
二歳の頃に選抜水槽でもう少し餌をもらってればもう少し早く隆起したかもしれませんが、やっぱりこのタイプは奥手(晩稲)なんだろうと思います。
ある意味、たまたま気がついただけなので、もしかしたら、ハネ水槽に居たまま、近所の人にもらわれて行ってたかもしれませんね(^_^;)


我が家には基本的に獅子頭の系統しかいなかったので、良い兜巾を持つ魚が出てくる間に兜巾筋を分離しなければと思っているのですが、このような魚を使って作っていきたいと思っています。

兜巾筋を分離して維持改良していく目的は、兜巾をパーツと見立てて、より大きく、高く、なめらかに、膨隆感を持って隆起する兜巾を持つ魚を選別し、その表現をする遺伝子を煮詰めていきたいからです。

私が宇野系らんちゅうをブリーディングしておられる色々な人の色々なタイプの魚を見てきた限りでは、同胎の中でも、より兜巾タイプの特長が出ている魚の方が、より優れた兜巾を持っているようです。
胴が胡瓜型の丸胴で、吻端や目下の肉瘤の発達が控えめなタイプです。
そうであれば、兜巾の遺伝子を煮詰めていくには、兜巾タイプで維持していかなければならないのだろうと考えています。

最終的には、 豊かな兜巾を持つ造りの良い獅子頭の宇野系らんちゅうを作ることが目標なのですが、そのためにも、獅子頭タイプの筋と兜巾タイプの筋をそれぞれに維持改良し、その2つの筋を掛け合わせて目標とするタイプを作っていく。というアプローチで行ってみようかと思っています。