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2014年4月13日日曜日

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説(青水)

宇野系らんちゅうの飼い方の話で良く出てくる言葉が「青水(あおみず)」です。

普通、らんちゅう愛好家の間で青水という場合、植物性プランクトンが大量繁殖し、緑色がかった状態になっている飼育水の事を言います。

水換えをして2週間程度経った飼育水
綺麗な緑色をしています。


青水を透明なコップに掬うとエメラルドグリーンのような色をしているのですが、これは飼育水の中を漂う大量の植物性プランクトンが持つ葉緑素の影響で水そのものが緑色に見えるようになっているためです。(植物プランクトンには緑色以外の色素を持つものもいます)

宇野系らんちゅう愛好家が、青水を意識する理由は、宇野系らんちゅうを青水で飼うと、魚の色が良くなるとか、肉瘤が出やすいなどと言われるためなのですが、実際の所、どこまで影響しているのかは、はっきりとわかっていません。

ただ、冬場(冬眠中)、状態の良い青水で飼われているらんちゅうは、緑色の糞をします(結構な量の糞をします)。
コイ科の魚の中には、好んで藻を食べる種類もいますから、青水中の植物プランクトンを摂取することで、多少の栄養にしているのかもしれませんね。
そういった状態で越冬したらんちゅうは、12月から3月半ばまで餌を切っても、痩せたり肉瘤が小さくなったという印象が無いことは事実です。

さて、では、どの様な青水が良いのか、どの程度水換えをせずに青水で飼うのか。というところが難しいところです。

我が家の飼育水の変化を記録してみたので、それをご紹介します。

水換え直後の飼育水
(全換水後、小さい洗面器1杯分の青水を戻しました)
4日後の飼育水
(緑色が濃くなって濾過器が見えにくくなりました)
10日後の飼育水
(濃い青水になりました。魚もあまり見えません。)

我が家の舟(午前中のみ日が当たる)の場合、大体こんな感じで濃くなって行きます。

但し、青水の進行スピードは、
 ・日光のあたり具合(良くあたるほど早い)
 ・温度(高いほど早い)
 ・魚の収容数(多いほど早い)
 ・餌の種類や与える量(多いほど早い)
などによって変わってきます。

青水飼育の場合も水換えの頻度は、基本的には水の痛み具合で判断すべきですが、
餌をやっているシーズンの場合は、早い人で5日か7日周期、長い人で2週間程度だと思います。
瘤太郎の場合、通常は2週間で、最初の1週間は餌もしっかり与え、8~11日目ぐらいは少し控え目に餌を与え、最後の2日ほどは餌を切って2週間で水を替えます。
ただ、ブクブクの泡がなかなか消えないとか、水の匂いがおかしいとき、あるいは水が濁ってるときなどは、早めに水換えを行うことがあります。

さて、緑色だけど青水なのですが、実は様々な条件で青水の色は変わります。
うっすら白濁するような色の場合は、あまり良い状態ではないと思っていますが、
魚に影響が無い場合の青水の色のバリエーションをご紹介します。


少し茶色がかった青水

青水というよりも赤水?赤潮??
珪藻類が優勢なのかもしれませんね。

最後にアップした赤い水は、海で言えば赤潮の色で、赤潮は魚のエラに詰まって
魚が死ぬと言われますが、我が家の赤水(?)の場合、魚が死ぬようなことは
ありません。普通に健康な状態で泳いでいます。
ただ、やっぱりあまり気持ちのよい色ではないので、全換水して、綺麗な緑色を
している舟の水を入れたりして緑色の青水になるよう調整したりします。

2013年11月4日月曜日

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説(峰っけ)

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説では、瘤太郎が色々な方から教わった、らんちゅう独特の表現を解説していこうという試みです。
瘤太郎の解釈ですので、愛好会や飼われておられる系統などで、違った解釈をする場合もあると思いますので、その辺りはご了承ください。
(所属する愛好会で違う解釈をしておられる場合は、そちらの解釈を優先された方が良いと思います。)


何からでも良いのですが、今日は「峰っけ(みねっけ)」について書いてみます。


らんちゅうの峰っけとは、峰不二子のような妖艶な魅力を持つことです。


なんていうのは、冗談です。



峰っけの「峰」は山の峰か、刀などの峰の意味で使われていると思います。


しかし...


山の場合、峰(みね)は、峰(ほう)とも読むように、頂上の事をいいます。


らんちゅうとして、峰といっている場合、背の中央に頭部から尾筒にかけて
現れる「尾根」 を言っていることがほとんどです。

尾根は、「山の峰と峰とを結んで高く連なる所。(デジタル大辞泉)」や「稜線」という
意味ですから、峰とは違いますよね。

らんちゅうの背に、尾根のような線が見えることを「峰っけ」と言っているのですが、
山に例えて使うなら「尾根っけ」なんです。


ところで、峰っけのキツイ魚を見た時、「峰っけがすごいね... 切れそう...」と表現する人がいます。

こういった表現をするからには、切れる=刀 をイメージしていると考えた方が良いのでしょうか。

さて、言葉の意味合いについてはこれぐらいにしておいて...
実際の写真を見てみましょう。


上の写真は、親魚サイズですが、峰っけが強く出た魚の写真です。

補助線を引いた写真と見比べてください。


緑色の線の部分が尾根のように尖って見えるために「峰っけ」といいます。

青い線のあたりの断面をイメージしたものが下のイラストです。



左側の青い線で書いた断面が、上の魚の青いラインの部分の断面です。
右側のオレンジ色の線で書いた断面が、峰っけの少ない魚をイメージした断面です。

左側の断面の上のほうが、山の尾根のように尖っていますよね。これが尾根(峰)たる所以です。

泳いでいる魚を見ながらこのような断面をイメージし、背の部分に丸みが無くて尾根のように尖った形になっていると見なせる場合に、「この魚は峰っけがある」あるいは「峰っけが強い」といいます。
ときどき、緑の線の部分に、環境光を反射した白い光の線があるのを見て、峰っけがあるという人がいますが、イラストのオレンジのほう(峰っけのない方)の魚でも、環境光の差し込み方や見る方向(写真を撮る方向)によっては、光の筋が出ることがあります。
峰っけのある魚のほうが、光の線がシャープにでる傾向はありますが、光の線があるからといって峰っけがあると考えるのは不適切です。

2次元の写真から立体を読み取るのは難しいですが、横っ腹からのラインや、尾筒の形、頭部の形状など、様々な情報を読み取って断面をイメージすることができるようになれば、峰っけの有無を正確に読み取ることができるようになりますので、日頃から意識してみてください。


で...


らんちゅうは、背幅があるほうが良いとされています。

背幅の考え方も色々とありますが、瘤太郎は、断面の曲線が水平から30度の接線との接点の内側を背幅と考えています。
側線が背幅とか、目幅が背幅という考え方はしていません。
絵にしてみるなら、以下の様な感じです。


緑の線が、30度の接線ですので、紫色の縦線の間が背幅ということになります。
まあ、特に根拠は無く、人間の背中と脇腹の境目もそんな感じじゃないの?ってぐらいの考えなんですけどね(^_^;)

このイラストだと側線の位置はもっと下の方ですよね。緑の線の下端のもう一つ下の太い目盛線ぐらいの高さにあるんじゃないでしょうか。
そこを背幅とすると、瘤太郎の考える背幅よりももっと背幅があることになります。

まあ、どこからどこまでを背幅というかは、人それぞれだと思いますが、いずれにせよ同じ尺度で考えた場合、峰っけのある魚は、相対的に背幅が無いということになると思います。

だから、胴の質を重視する人は、峰っけを嫌う人が多いのです。

逆に、峰っけがあると華奢に見えますので、丸手の型の可愛い魚を追う場合、あえて峰を見せることで、可愛い雰囲気を演出することができるとは思います。
しかし、そうは言っても目幅の無い魚だけは作って欲しくないなあというのが、瘤太郎の気持ちです。

らんちゅうは、目幅があってふくよかな肉瘤の付いた丸い(四角い)顔を持っていてこそらんちゅうだと思います。
目幅がなく尖った顔だと、なんきんか、まるこになっちゃいます... よね...

ところで、最初の写真の魚ですが、親魚サイズなんです。

随分前の写真です。今の我が家にはこういう背を持つ魚は居ません。
普通、当歳から2歳(我が家では2歳で親指サイズです)の頃までは、峰っけが目立つ魚も居ますが、親になるにつれ肉と油が付いて峰っけは収まってくるものです。
逆に親魚になって肉と油が付いてからでは、先天的な峰っけの有無がわかりにくくなります。
背幅のある筋を作っていきたい場合は、峰っけがわかりやすい二歳頃までに、峰っけの強い魚を淘汰していくようにする必要があるのかもしれませんね。

なぜ、峰っけが出るのかについても書いてみたいのですが、それは用語解説の範疇ではなくなるので、また別の記事として-