2014年11月7日金曜日

忙しくて世話ができないときの飼い方

皆様、ご無沙汰しております。

9月下旬から忙しくなって週末も休みが取れない状態が続いており、
隔週の土曜日の午前中に何枚か水換えをして、事務所に出てくるというような状況が続いています。
場合によっては、3週間(20日程度)水換えをしていない舟もあったりします。

そういう状況では、青水も深くなり、魚の様子がわからなくなるので、どうしても餌を控えるようになります。

10月の31日間のうち、餌を与えられた日は、10日ほどかもしれません。


やっぱり魚は痩せていきますね。特に肉瘤が寂しくなっていきます。


瘤太郎の場合、忙しすぎて十分な世話ができない時は、良い青水を保って植物プランクトンを食べさせることで飢えを凌がせ、給餌による水質の悪化を防いで水を持たせるようにしています。

とは言え、青水が濃くなると、水の状態を把握しにくくなりますから、まだ大丈夫だろうと無理をすると、病気の少ない我が家でさえ、救ってみたら赤斑が出ていたりすることもあります。

そういう場合、水換えをしてやれば赤斑も消えて元気になるのですが、手遅れになると潰瘍になったりして、落ちてしまう魚もいるので注意が必要ですね。

1ヶ月ぐらい世話ができないな。と、わかっている場合は、水換えをして、3日ほど餌を控え目にやりながら青水を作り、その後は、餌を切って放っておく。ぐらいの飼い方をすることもあります。


青水ができず、白濁していくような場合は、無理してでも水換えをしますね。
白濁が必ずしもわるいのかどうかはわかりませんが、やっぱり白く濁っていると何となく不安になります(そういう水は大抵変な匂いもしますし)。

11月の終わりには忙しさのピークも終わると思いますが、その頃になったらもう冬眠ですよね(^_^;)

今年は9月頃までは、当歳を良いペースで飼っていたので、例年より少し大きめにして越冬できると思っていたのですが、その後1ヶ月餌を与えられなかったので結局いつものようにピーナッツの鞘程度の大きさでの越冬になりそうです。

世間は品評会シーズンでしたが、日曜日がほとんど潰れているので、結局何処の会にも行けませんでした。


しばらく更新してないけど、どうしたん?と言われることが多くなってきたので、状況報告がてら
忙しさを無理やりランチュウの話にこじつけて書かせていただきましたm(_ _)m





二歳魚です。(左右の写真は同じ2匹です。)
品評会に行くなら出品しても良いかなと思っていた魚です。

10月末に撮影した写真なので、9月頃よりも痩せてしまいました。
本当は10月の間もしっかり赤虫を与えてやってれば、肉瘤ももう少し膨らんだかもしれません。

まあ、ほとんど餌を与えてやってないわりには、健康的なのは、青水の状態が良く、青水を通して最低限の栄養を摂取していたのかもしれませんね。
あと、青水飼いが長くなると、色が良くなってくるように思います。

2014年10月2日木曜日

色柄のふしぎ

今年、面かぶりを期待して掛け合わせた腹の仔が、全て色変わりをしました。
これが親に使った魚です。
左上がメス、他2匹がオス


そして、こちらが色変わり後の魚達です。


 9割方素赤、腹まで赤い猩々も多くいました。
面かぶりじゃなくて、面白ってのはいましたけどね(^_^;) 逆だろ!!

途中で分離した瘤サバ(フナ尾になったチーム)の魚達も30匹程度いますが、
更紗は2匹ほどで後はほとんど素赤もしくは猩々でした。

うーん、何なんでしょうね。

でも、早い時期にハネて、屋内の水槽に入れていた子たちは、ほとんど白(少し赤が刺している程度)でした。

結局、金魚の色柄って、環境に影響される部分が多いのかもしれませんね。

何匹か残してF2を取ってみるべきかなあ...

2014年9月11日木曜日

出品していただきました(兜巾筋の当歳魚)

らんちうディスク様の質問(コメント)への回答(コメントへの返信)として、兜巾系血統のブリーディングをされていて、販売もされておられる方を紹介させていただきましたが、せっかくなのでということで、ヤフオクに当歳魚を出品してくださいました。
http://sellinglist.auctions.yahoo.co.jp/user/dsdpd285 
( 終了予定日時: 9月 13日(土) 19時 15分 )

こちらが出品中の当歳魚の親魚の写真です↓

(ご注意)瘤太郎の魚ではありません

多分、上がオス(兜巾タイプ)で、下がメス(獅子頭タイプ) なのでしょうね。
メスも兜巾血統から出てきた獅子頭なのでしょう、肉瘤の肌質も良いですね。
とても良い組み合わせだと思います。

ヤフオクのページには、出品中の当歳の同池の魚(参考魚)の写真もアップされていますので、
参考になさってください。
http://sellinglist.auctions.yahoo.co.jp/user/dsdpd285
( 終了予定日時: 9月 13日(土) 19時 15分 )



それにしても、相変わらず凄い肉瘤です(^_^;)

2014年9月7日日曜日

兜巾タイプの行き着く先/京都筋宇野系らんちゅうの成長

同胎の兄妹に比べて目先や目幅が無く、胴も丸胴の胡瓜型...
となると、兜巾タイプかな。と期待してしまいますが、
兜巾タイプは、必ずしも肉瘤が発達するとは限りません。
獅子頭やオカメは、それなりに吹いてくるのですが、兜巾型は、
結局、どこもでなかった... なんてこともあったりします。





これら3匹は、いずれも肉瘤の隆起が始まった頃(3歳)は、
兜巾タイプかなあと思ってたのですが、結果は三者三様。

一番上は、シワの多いタイプでした。
でも、背幅感のある魚になりました。

真ん中は、兜巾タイプのようです。大きく高い兜巾を載せて成長中です。

一番下は、残念タイプのようです。結局どこも出ず...ということになりました。
でも、よく見ると、胴の型が兜巾タイプぽくはないですね。

若い魚の先行き(成長途中の兜巾2)/京都筋宇野系らんちゅう

兜巾筋の兜巾と思われる若魚の写真です。

前回の魚に比べて、胴の方が、兜巾タイプっぽいのと、目先・目下の張り出しが控えめなところも兜巾タイプっぽい感じです。
筒伸びとスボケは、兜巾の遺伝子を残すためには、まったくどうでも良い要素なので、気にしてません。もちろん、尾形が良いに越したことはありませんけどね。
でも、普通、よほど甘い選別をしてても、このスボケだったら、間違いなく枝豆サイズまでにはハネてますよね。

アップで撮ってみました。
 兜巾の膨隆が始まっています。
前端部は少し丸みを帯びていて、後端部が幅広になって角張った四角にでている。
これが、膨隆を始めた頃の兜巾タイプの兜巾の特徴的な形です。

しかし...

現時点でこうだからといって、立派な兜巾を持つ魚に仕上がるとは限りません(^_^;)

まあ、タイプから言うと出てきてくれるとは思ってますが、どうなるでしょうね。

2014年9月1日月曜日

若い魚の先行き(成長途中の兜巾)/京都筋宇野系らんちゅう

兜巾筋の舟に居る獅子頭タイプの魚の写真です。


全長70mmで、まだ幼さの残る魚ですが、
良い顔になりそうな雰囲気です。

尾はどうしようも無いですが、胴は、水ナス型で癖の無い胴をしています。
やや峰っけがあるので、背幅感の感じられない胴ではあります。

目先(フンタン)も良く伸びており、目下(がわ)の張り出しも立派です。兜巾が大きく、膨隆感があります。
兜巾の肌質もそこそこです。(兄妹の兜巾タイプの魚はもっと水まんじゅうのような肌質をしています。

同じ魚の別アングルです。
この写真だとわかりやすいのですが、兜巾が四角く幅広です。
で、瘤太郎が注目しているのは、兜巾の前の方より後ろの方が幅が広い点です。
代を重ねる毎に兜巾が小さくなっていくような継ぎ方をしている場合、兜巾が小さくなる過程で
兜巾の後ろ側の幅が狭くなり、台形のような形になっていることが多いように思います。
よって、兜巾の後ろのほうが幅が広い兜巾は、大事にしたいと考えています。

もう1枚、今度は同じ魚の横見です。
現時点でもそこそこに高さのある兜巾を乗せていますが、兜巾の前の斜面が斜めになだらかに下がっているので、膨隆感が感じられない造りになってしまっています。
横面は、適度なくびれがあるので、その部分で膨隆感を演出してるってことですね。
今後、兜巾の前側にくびれ感が付くように成長していけば、抜群の顔つきを持つ魚に仕上がっていくと思います。 


ちなみに...  背なりですが...

背の真ん中で少しいびつにもりあがっている部分がありますね。(わずかですが)

これが峰っぽさの原因になっているのかもしれません。


緑の線を参考にしていただければ、いびつに出っ張っていると言っている部分が
わかるかと思います。
まあ、これぐらいのいびつさなら、種を選ぶときでもあまり気にしませんけどね。




2014年8月29日金曜日

瘤サバ成長日記 兼 面かぶりの交配

面かぶりを狙って交配した卵。



9割がフナ尾など、波瀾万丈で、血迷ってフナ尾を瘤サバなどといいながら、
育てしまっている状況ですが、
そろそろ色変わりが始まりました。

で...

その結果ですが...


あれ...


おや...


なんで...


 瘤サバチーム約20匹、らんちゅうチーム約40匹の中で、
3分の1ほどが色変わりをしていますが、今のところ全部素赤なんです(X_X)



素赤同士を掛け合わせた他の舟では結構更紗がでてるのに、
なんであえてこの面かぶり狙いの舟だけが素赤ばっかりなの?

上の写真の色変わり中の魚も多分素赤ですよね...

らんちゅうの柄は、コントロールできないということは、何となく理解してましたが、
ここまで期待はずれってのもなあ...

さて、瘤サバチーム、匹数が少ないこともあって、我が家の当歳の中では、成長が早いです。
なんだかだるまメダカみたいに見えますか? (^_^;)


2014年8月25日月曜日

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説(背なり) 

背なりというのは、横から見た時の背中のラインのことで、ラインが良い時は「背なりが美しい」とか「綺麗な背なり」というように表現します。

最近は、宇野系に限らず協会系においても背なりを意識する人が増えてきているようです。

協会系では、背出しから1文字に伸び、腰から尾筒に掛けて適度な丸みを持って下ろすような背なりを好む人が増えているのではないでしょうか。
 さて、イラストを見ながら話を進めたいと思います。


宇野系らんちゅうで、良く見る背なりは、2と4と5です。


1は、一部の愛好家の一部の血統でしか見られないタイプだと思いますが、体高を抑え、フラットな背なりを持つタイプです。
腹も必要以上に丸くなっておらず、とにかく体高がコンパクトです。
この背なりで、骨格と筋肉の形を改良していくと、充実した背幅を持つ魚に仕上がっていきます。

また、首が上向きにつきやすい背なりなので、顔も良くなります。
 ただ、体全体のシルエットを小さく見せてしまう という面もあるので、迫力のある魚を育てようとすると、難しいかもしれません。
そのため、腹型の良い魚を選び、形の良い肉瘤を載せていくようにして見栄えを演出する必要があります。

2は、良く見るタイプの魚です。
背出し(背中と肉瘤の境目)から少し斜め上方向に背が伸び、さほど高くなく適度な丸みをもって筒へと流れていくような背なりです。
バランスの取れた魚に仕上がるタイプが多いです。

3は、首高やゴツと呼ばれる背なりです。へ腰という場合もあるようでうs.
背出しの後ろで、盛り上がったように背が高くなります。
この部分を上から見ると、背幅が付いているように見えますので、上見重視で選別すると、
ついつい残してしまう魚です。
ただ、ゴツがある魚は、成長とともに、その部分がどんどんいびつになっていく場合があります。
瘤太郎は、基本的には残しません。
というよりも、当歳から2歳をスローペースで飼育すると、ゴツになる魚が少ないように思います。


4は、腰高の背なりです。
このタイプが主流となっている宇野系愛好会も多いです。
このタイプは、筒元を太く出しているように見せる魚が多いです。
上見で筒の太い魚を意識して選別していると、良く残ってしまうタイプです。

5は、昔から「柘櫛のような背」として、らんちゅうの基本のように言われてきた背なりです。
吻端部から大きく弧を描くようなラインで、腹側も丸くなっている場合が多く、体高があります。

 6は、背の途中に凹みがある背なりで、軽いものであれば選別でハネずに残す人もいるようです。ただ、このようになる魚は、背骨が湾曲している場合が多いので、瘤太郎は早い段階でハネます。

宇野系の愛好家の会話の中で、時々、「背を抑える」という話が出てくることがありますが、
このように変にへこんでいる魚のことを言うのではなく、1もしくは2のように低く出て素直なラインで腰へとつながるような背なりを、「低く抑えた背」といいます。


最後に、写真を...

「良い魚」として紹介するわけではないです。たまたま手元にあった写真です。

2歳で、頭から尾筒までが100円玉を2つ並べたぐらいです。
基本的には上のイラストでは2に該当する魚ですね。
ただ、4歳、5歳と成長する過程で、体長が伸び、大きな兜巾を乗せてくると、
1に見えるようになる場合もあります。


こちらの写真の魚↓は、1に近いですかね。
ただ、ちょっと腹が垂れてますね。
餌を付けた時に、腹が下へ垂れて膨らんでいるような状況を、
「腹が食い下がっている」 と表現することがありますが、
この魚はそんな感じですね。(実際には餌を食べた直後なんだろうと思いますが)

2014年8月17日日曜日

胴のタイプ~京都筋宇野系らんちゅう

仕事が忙しかったり、雨の日が続いたりで、なかなか魚を見る時間がありません。
水換えの時間を確保できるタイミングがわからないので、餌も控えめになってしまいます...

まあ、品評会に合わせて飼っているわけではないので、ゆっくりでもいいんですけどね。

でも、あまりスローペースで飼っていると、魚のポテンシャルを引き出せなくなりますから、
やっぱりもう少し餌を付けて飼ってやりたいところです。

今、丁度魚が痩せてる(^_^;)ので、逆に肉付きを差し引いた胴の型を見るには良いのかも...

 ということで、1枚写真を載せてみます。


 同胎(1匹のメスが1回の産卵で産んだ卵の子)の子たちです。
獅子頭の筋から出た兜巾系のボディを持つ雌雄を交配して取った魚です。
どの魚も体長(尾は含まない)45mmぐらいです。
120角のFRP舟に40匹ほどで飼育しています。
餌は2日間与えていません。

それぞれ、何となく雰囲気の違う魚ですよね。
 


左上の魚は、エラの後ろからふっくらと丸みを持っていて、腹の重心も後ろよりにある感じです。
現時点では、骨格の幅もそれなりにあるし、柔らかみもあるように見えます。
種向きな魚に育ってくれるといいなあ。という魚です。
胴のタイプとしては獅子頭になると思います。

中央下の魚は、骨格が細いように思います。
柔らかみがあるため、腹幅はそれなりにあるように見えますが、背幅などは細く見えます。
このタイプの魚は、成長に伴って、横へ横へと太く変化していって、だんだんと背幅も増してくる魚になる場合もありますが、変化しなければ、単に峰っぽい柔らかい魚で終わってしまうパターンになります(^_^;)

その上の魚は、腹付きの悪い胡瓜型の胴を持つタイプですね。
エラの下からはらじまいまでズンドウになっており、左上の魚のような横っ腹の軟らかさもありません。
ただ、右端の魚と比べると背幅があるように見えます。いわゆる丸胴に見える魚です。
こういうタイプが兜巾型になる場合があります。
ただ、ちょっと目先(フンタン)が長いかな...
兜巾に仕上がる魚は、もっと目先が短くて丸い感じです。

 右端は、なつめ型の腹形をもつ小判胴の魚です。
特に特長の無い魚というか...まあ、ボディバランスは良くなりそうなので、
綺麗な肉瘤が乗れば、見栄えの良い魚になりそうですね。

本当は、これぐらいの時期で、中央上の魚は、別の舟で少数で飼って、餌やりにメリハリを付けて飼っていくと本物の兜巾タイプなら、綺麗な兜巾を膨隆させていくと思います。


同じ4匹です。
中央やや左したの2匹の背幅間の違い、わかりますか?
一番下の魚(上の写真の左上の魚)は背中という感じがあるのですが、
その上の魚は、背幅感が無く紡錘形にみえるんですよね...
瘤太郎は、下の魚の方が好きです。

左上の魚が上の写真で兜巾タイプかもと書いた魚ですが、この写真で見ると
ツヤの無い薄い色をしているので、兜巾が大きくなるとしてもツルンとした感じには上がらないかもしれませんね。 脳っぽいヒダヒダの多い感じになるかもしれません。
何となくツルンとした水饅頭タイプの大きな兜巾を持つ魚は、ツヤのある鱗質の魚が多いように思います。
実際、この仔達のメス親は形は兜巾タイプで大きな兜巾を載せていますが、肌の艶のないヒダヒダの多い兜巾でした。
以外と右端の魚が、獅子頭にツルンとした綺麗な兜巾を乗せてくるかもしれません。

2014年8月1日金曜日

あえて残す魚


先日、「らんちゅうの型(かた)とは~兜巾頭と獅子頭の型(その1)および(その2)で、型の話をした時に取り上げた写真が、下の写真ですが、さすがにこれだけのスボケだといくら瘤太郎でも普通は早めにはねます。(一部追記 2014.8.9)

特に右側の兜巾タイプの方は、スボケというより歪んでついてますよね。
それでもこの魚を残していたのは、頭の付き方や胴の型がいかにも兜巾タイプっぽかったからだと思います。
タバコの太さぐらいの頃から人差し指ぐらいのサイズになるまでゆっくりと選別で数を減らしていきますが、それぐらいのサイズの頃に既に兜巾タイプの胴の型の魚として見分けられるぐらいの魚だったということなのでしょう。

今のところ、兜巾タイプとして成長していってますし、兜巾もヒダの無いつるんとした肌質の兜巾になっています。
後は、どこまで膨隆するかでこの魚の質が決まるということですね。
来年の秋ぐらい(5歳の秋)に完成するかな...

1つの腹を残すとき、肉瘤が発達する前に、20~50匹ぐらいに減らしてしまうと思いますし、
肉瘤の膨隆が始まったらどうしても肉瘤の上がってる魚を残して、肉瘤の上がってない魚を軽視する傾向が宇野系愛好家にはあると思います。
上の写真の場合、左の魚のような顔つきをしている魚の方が、置いておきたいと思うのではないでしょうか?

でも、兜巾型は、肉瘤の発達が遅いです。
故に、意識して残していかないと、「なんか肉瘤がでてないからいらないや」ということになって
しまいます。
それを防止するために、魚の胴の型を見て、兜巾タイプであれば肉瘤が出てなくても、我慢して残しておかなければならないのだろうと思います。

2014年7月28日月曜日

瘤さば成長日誌

いつまで続くかわかりませんが、フナ尾チームの様子でもご紹介します。






面かぶり配合のフナ尾(仮称:瘤さば)、順調に成長しております。
尾付けがどうなるんだろうと思ってたのですが、フツーにフナですね(^_^;)
上が兜巾頭型の胴、下が獅子頭型の胴です(なんて、さすがにこのサイズでは
わかりません...)

横見もみたいですか?




こんな感じです。
背なりも綺麗(^_^)

らんちゅうの型(かた)とは ~兜巾頭と獅子頭の型(その2)~

肉瘤の上がり方を胴の型で予想する...

普通に考えると関係無いだろうと思うような話ですが、
肉瘤の上がりの良い筋を維持しておられる方の池を見せてもらうと、
この法則が成り立つ場合が多いです。

肉瘤の型と胴の型をセットで考えるメリットは、

1)肉瘤の型と胴の型が一致することで、バランスの取れた魚に仕上がる。

2)胴の型が違うと、餌の与え方が同じでも仕上がり方が違うので、胴の型に合わせて
  餌やりを調整することが可能になる。

3)兜巾頭は肉瘤の発達が遅くなりがちだが、胴の型で見分けておけば、
  こいつは兜巾型だからもう少し待ってみるか...という判断ができる。
  #いつまで経っても上がらない個体も居ますが(^_^;)

と、言ったようなところです。

例えば、兜巾頭型と獅子頭型では、獅子頭型の方が少ない餌で仕上がることが
多いようです。
言い換えると、獅子頭型は餌を付け過ぎると壊れる(腹が出すぎる)ことが多いです。
そのため、獅子頭型と兜巾頭型を同じ舟で飼っていると、獅子頭型が崩れないように
ついつい餌をセーブしてしまいます。
そうすると、兜巾頭型は、その量では足りず、身体も仕上がらず、肉瘤も充実しづらくなります。


そこで、胴の型を見て、兜巾頭型の胴を持つ魚を別に分けることができれば、兜巾頭型の魚にあった餌を与えることができるということです。



さて、兜巾頭型と獅子頭型の胴の型をイラストで表現してみました。


左の獅子頭が胴の後ろ半分が張り出す水なす型の胴を持っているのに対して、
右の兜巾頭は胴の前半分も後ろ半分もさほど太さが変わらないキュウリ型やナツメ型の
胴を持っています。
そして、兜巾頭型は、腹幅が狭い分、背幅の割合が広く見えることから、
単体で見ると、広い背幅を持つ丸胴に見える傾向があります。
胴の側面には柔らかい感じは少なく、パンパンに張っているという印象を持つ
個体が多いです。

兜巾頭型が出る血統の魚を飼育している人は、同じ胎の中で、胴の型を見比べてみて、
キュウリ型・ナツメ型の丸胴っぽい個体がいたら兜巾頭型の魚かもしれない。と思って、
大事にしてくださいね。
数匹に1匹ぐらいは、ぽってりぷるんとした見事な兜巾を乗せる魚に仕上がるかも
しれませんよ。

2014年7月27日日曜日

らんちゅうの型(かた)とは ~兜巾頭と獅子頭の型~

今回もまず写真から。


少しピンぼけですが、同胎(同じ親から同じ時に採った卵の中の2匹)です。
ずっと同じ舟で飼育してきて、全長もほぼ同じです。
今、4歳かな?(多分)
尾を見れば分かる通り会用に残した魚ではありません。


この2匹で、獅子頭(ししがしら)の体型と兜巾頭(ときんがしら)の体型の
説明ができそうなので、写真に撮ってみました。

ちなみにこの子達の親は、メスは獅子頭系統の獅子頭。
オスは兜巾頭系統の獅子頭でした。
もちろん両親とも宇野系らんちゅうですが、血は少し遠い(10代ぐらい前に共通の
祖先が居る程度)です。

左の子は、獅子頭になるタイプです。
目下や吻端の肉瘤が膨らんできているのがわかると思います。
右の子は、兜巾頭になるタイプです。
左の子に比べて目下や吻端の肉瘤の発達が乏しく、兜巾の土台も小さいです。

顔つきがこの程度まではっきりしてくれば、顔つき(肉瘤の付き方)だけで獅子と
兜巾を見分けることができると思いますが、これをもっと早い段階で見分けるには、
胴の形の違いに注目して見分ける必要があります。

左の子の胴の断面は、水入り風船をボテッと置いたような感じで、横っ腹が横に張り出して
いて、背出しよりも腹じまいに掛けて水ナス型に膨らんでいっています。
これに対して、右の子の胴は、パンパンになったハムのように背出しから腹じまいに
掛けての変化が無く、ズンドウのようになっています。
(微妙な違いなので見分けるのは難しいと思いますが)

この体型の違いは、肉瘤が発達する前から同じですので、獅子タイプと兜巾タイプを
区別するときに役に立ちます。
(もちろん、兜巾体型なのに獅子になったりすることもありますが、その場合、何となく
バランスの悪い魚に仕上がっていくと思います。)

2014年6月28日土曜日

ただの日報/針子の選別をしました

6月初めに採卵した卵、無事に孵化したのですが、それ以降、仕事が忙しくなり、2週間で5回ほど事務所に泊まり込み。
そうなると当然、朝のブラインシュリンプの給餌ができないわけで、次の日のために卵をセットすることもできず... という状況になります。

孵化1ヶ月の間は、餌が足りないと、あっちゅう間にシラスになりますね。

3腹の内、面かぶり交配は、孵化数が多かったのが逆に災いして、
9割方シラスになりました...

それでも400ほど残ってたので、まあ、丁度いいか... なんて思ってたんですけど、
よーく見ると、ほぼフナ尾...

サシが多くて9割ハネたってのは時々ありましたけど、フナ尾が9割って...初めての経験です。
とりあえず、スボケてようが多少曲がってようが、フナ尾じゃなければ残して40匹ほどになりました。
まあ、色を見たいだけなので、数はそんなに多くなくて良いんですけどね。

で、あまりにフナ尾ばっかりだったので、体のよさ気なフナ尾を20匹ほどキープしておきました(^_^)

琉金のような体にフナ尾が付いた金魚を「玉サバ」というらしいですが、
らんちゅうがフナ尾になったら...  瘤サバ?
Google画像検索で調べても肉瘤がしっかりのったフナ尾のらんちゅうって見かけないので、作ってみましょうかねえ。
水槽(横見)で飼うなら面白いかもしれませんね。

普段、フナ尾って1腹の選別で数匹ってところですから、残すなんて考えもしなかったけど、
300匹以上のフナ尾らんちゅうを目の前にして、ちと残してみるか...なんてことを考えてしまいました(^_^;)

フナ尾でもベタ赤とか蛇の目とか尾びれに色が差すのかなあ... ある意味楽しみです。

 ・ ・ ・

残る2腹は、種用の筋の魚です。
こちらは、孵化数が少なかったこともあり、飢餓にならずほぼ全数残ってました。
それぞれ、選別で半分ほどに減らしました。
まだ爪楊枝の太さなので、何もわかりませんが、1ヶ月ほど経ったので、もうシラスになって全滅することも無いと思います。

2014年6月4日水曜日

宇野系らんちゅうの交配、種親の選び方(面かぶり系)

宇野系でも早い人はサクラの開花の頃に仔引きをする人がいますが(最近はヒーターを使って、もっと早く採っている人もいるとか)、自然産卵なら5月に入ってからでしょうか...
でも、夜間の水温が低下する時期は、白く溶けて全滅することも多いようですね。

瘤太郎は、ヒーターを使うと水換えの際の水温合わせが面倒なので、夜間の水温が20度を超えて安定する6月になってから仔引きをすることが多いです。
7月になってからというのもザラです。

良く、水温の高い時期に卵を採ると3日ほどで孵化してしまって、上手く育たない。という話を聞きますが、今までの経験上、特にそのような不都合はありませんでした。

強いて言えば、冬眠までの時間が短くなるので、小さいまま冬眠させなければならないということでしょうか。
小さい仔を冬眠させると、代謝機能がおかしくなるのか、全身が水ぶくれ状態になる仔が出てくるので、それが困るくらいです。


さて、本日、一腹、人工授精によって、卵を採りました。

面かぶり系の雌雄です。


中央がメス、左右がオスで、人工授精でどちらのオスも半分半分程度掛けておきました。

いずれも同胎の兄妹です。

この血統、胴については、まだ改良中なので、どの魚も背幅は今ひとつですが、
メスは、水なす型(今は卵を持っているのでパンパンですが)のしっかりした胴を持っています。
頭は、龍というかオカメ顔で目幅も少し足りません。
ヒレは、先を洗っています。(ヒレの先に赤が乗っていない)

右のオスは、ナツメ型の胴を持つ魚で、各ヒレがヒレ先まで真っ赤、顎の下も真っ赤なので、
面かぶり系の柄の土台としては、良い配色をしています。
胴もスッキリしているので、個人的には好きなタイプです。
頭は、うーん、まだもう少し成長してくれるかなあ...

左のオスは、たまご型の胴を持つコロンとした魚です。
目下、フンタンの発達がものすごい、肉瘤ブクブクのさかなです。
ヒレは、先を洗っています。
ほんとに丸手の魚なので、この体型は受け継いでほしくないのですが、龍頭の面かぶりには
この肉瘤は申し分ないです。


我が家では、ほとんど素赤同士での交配をしているので、今回のように面かぶり系同士の交配は珍しい試みなのです。
10月になれば、ほとんど色変わりが終わると思いますが、どんな柄の仔になるでしょうね。

同じメスが、来月もう1回産むようなら、猩々のオスと掛けてみて、仔の柄の違いを比べてみようかな...
でも、らんちゅうって、色変わりの頃の環境条件で柄が変わっちゃうこともあるみたいですから、別の時期に採ったら比較にならないかもしれませんね。

瘤太郎は、面かぶりの種親選びのポイントは、
・頭の充実。目幅も肉瘤も充実している個体が良い。
 目幅も肉瘤も無い先細りの面かぶりは、好みではありません。
・ベタ赤のヒレ。雌雄揃えるのは難しいかもしれませんが、せめて片親だけでも
 ヒレ先まで真っ赤に染まっている個体を使いたいです。
・胴は、極端に峰の立つものや寸詰まりのものは避けるようにしたいです。
 多少の問題は、仔の代で親を選ぶときに、なるべく親のときに目をつぶった
 部分が良くなっている仔を次の代の親にするという感じで調整します。
・尾。種親選びには、尾はほとんど気にしません。

2014年5月6日火曜日

宇野系らんちゅうの顔と肉瘤のあれこれ

小さな明二歳の記事が続いたので、今日は迫力のある写真を見ていただきたいと思います。
水換えがてら撮影した我が家の会用血統の写真です。

全て同胎の兄妹で、体長(口先から尾筒の先まで)60~70mm程度です。
兜巾の形や側(がわ:目の下、ほっぺた)の肉瘤の形が色々なのでご覧ください。

左:獅子頭・なつめ型、目下の肉瘤の張り出しが良い
右:獅子頭、水なす型、兜巾がフンタンに流れている



左上:獅子頭・水なす型、目下のスッキリしたタイプ
中央:龍頭・水なす型
右下: 獅子頭・水なす型、丸兜巾、胴が良い


面更紗
左右は龍頭気味、中央は兜巾タイプ


少し龍頭ぎみの獅子頭


スッキリした顔立ちの面更紗
ベタ赤のヒレが美しい
面更紗としては背幅を見せる


兜巾タイプの(ほぼ)面かぶり
こちらもベタ赤のヒレが美しい


どの魚も魅力的な顔をしてますでしょ(^_^)

吻端(フンタン)の飛び出し具合はどの魚も同じような感じですが、側(がわ)の張り出し具合や兜巾の形は色々ですよね。

獅子頭、兜巾頭、龍頭、おかめ頭...  全て揃ってるんじゃないでしょうかねえ(^_^;)

とある宇野系の魚を1ペア導入してから4世代兄妹掛けを繰り返し、ようやくイメージに近い仔を出せるようになってきました。

とは言え、肉瘤、目幅、首の付き方、背幅、腹形、尾筒などのパーツが、全て種親として納得できるレベルに揃っているのは、ほんの数匹です。
 綺麗な尾を持つ魚だけを選別してしまっていたら、 余程の幸運の持ち主で無い限りそんな魚は残らないでしょうね。

なので、瘤太郎は種親用は尾を一切構わずに選別を行っています。

2014年5月3日土曜日

宇野系らんちゅうの楽しみ方(前掛かりの効いた尾)

らんちゅうの鑑賞のポイントをざっくり分けるとしたら、頭(肉瘤)、形(胴)、尾 、色柄ということになると思いますが、瘤太郎の場合、頭や形が優先で、尾に関してはあまり気にしていません。
そもそも品評会に出品することよりも、良い種親を残すことの方が面白いと思っているので、種親にとって大事なこと(=頭や形)を優先しています。

もちろん「良い種親」は、「良い魚」を産ませるために存在するわけで、「良い魚」は「良い尾」を持っているべきだと思います。
で、あれば、種親も尾を重視しなければならない...と考える必要がありそうなのですが...
瘤太郎の経験では「尾」は、遺伝の振れ幅が大きいパーツですので、尾の悪い親からでも、尾の良い仔がでてきます。(逆にバリバリの尾の親でとっても、ヘロヘロの尾の仔がいたりします)

そのため、種親選びでは、遺伝の振れ幅が小さい「頭」や「形」を優先し、産まれた仔魚の中に、尾の良いのがいたら、ピックアップして会用に育てるというスタイルでやっています。

ちなみに、尾が良いということでピックアップした会用の魚でも、胴や頭の質が良いと思ったら、会用の舟から種用の舟に戻したりします。
 
と...、前置きが長くなりましたが、まあ、宇野系らんちゅうの育種という面では、尾はさほど重要視していないのですが、それでも尾の良し悪しを見分ける眼力は養っておきたいものです。

今日は、選別の時に面白い魚がいたので写真を撮っておきました。


前回の記事と同じ種用の舟に居た仔なのですが、前掛かりの効いた張りの良い尾を持つ仔です。

「前掛かり」とは、尾の一番前の軟条が付け根から少し前に向いて伸び、途中からカーブを描いて後ろに流れる状態を言います。
写真の魚は、矢印の当たりまで前にせり出しているのがわかると思います。

宇野系の場合、必ずしも前掛かりが効いている必要は無いと思うのですが、協会系では品評会に持っていく魚の場合、前掛かりが効いた張りの良い尾を持つことが重視されています。

宇野系でも品評会用の魚を創ることを主眼としている愛好会では、前掛かりの効いた尾を持つ会魚が評価が高いようです。

ちなみに、下の魚(同胎)も開きの良い尾を持つ魚ですが、
あまり綺麗な尾とは言えないように思います。


 なんというか... 単に開き過ぎというか、でかいだけというか...
筒の間延びもアンバランスの原因の1つだと思います。

上の魚も、現時点では、体の大きさに対して少し尾が大きいようですが、
いずれ体が大きくなってきたらバランスが取れ、綺麗な尾を持つ魚になると思います。
しかしながら、下の魚は、あまり良い魚にはならないと思います。
微妙ですが、やっぱり尾形も、ちょっとした良し悪しのポイントのようなものがあるのでしょうね。

小さめの明二歳の宇野系らんちゅうの選別

ゴールデンウィークも後半となりました。
空に浮かぶ雲が夏の雲になりましたね。

今日、明二歳の選別をしがてら写真を撮ったので見てください。


選別後ですが、ハネの方です。
サイズは大きい仔がタバコのフィルターぐらいです。
数が多かったので、さすがに成長が遅かったようです。
少し数を減らすことで、残した魚がぐんと良くなってくれることを期待してます。

この舟は、種用の魚を残せれば良いと考えている舟で、既にある程度の選別を重ねてきていますので、後は、好きではない魚をハネていくことになります。

例えば①は、腹付きが浅い(胴が短いのでハネたのですが、この1匹だけを見ても胴が短いのか尾筒が長いのか良くわからないと思います。
でも、同じ舟の他の魚(同胎)と見比べると、①が単に筒が長いだけでなく、腹が浅いことがわかります。
②は全長や腹の幅は同じぐらいですが、胴は①よりも長いので、①は胴が短いのだ。と判断しました。

瘤太郎は小判型や丸手の魚も好きですが、この血統の魚としては、短すぎるということでハネました。

一方、②は、尾筒に背びれの痕跡のような突起があるのでハネた魚です。
もう少し早めにハネておければ良いんですけどね、パソコン仕事のし過ぎで目が悪いので、未だにこんなのをハネてます(^_^;)

背びれの痕跡は帆立のように1本飛び出しているのや、ほぼ背びれ!っていうぐらい立派なものを持ってる魚もいますが、ほんのすこしだけポチッとニキビのようになってるだけの魚もいます。
下の写真は、別の魚ですが、背と腰の境目ぐらいにポッチがあります。


 矢印(⇒)のところですね。
背の中央にこのようなポッチがある場合は、その下に背びれを支える骨である担鰭骨が
隠れている場合が多いです。
種には使うべきではないと思います。
  

2014年4月29日火曜日

明二歳の宇野系らんちゅう(魚の見分け方)

前回に引き続き明二歳です。


前回の記事の仔達とは別の両親から産まれた仔です。
こちらの腹の方が、少し長手の仔が多いようです。

同じ魚達の別の写真がこちら↓





どれが何番の仔か分かりますか?

どの仔も長さは同じぐらいなので、

背幅、腹形、頭部の形やメの付き方などで見分ける必要があります。

もちろん、スボケが1匹と、

尾がくろそぶになってるのが1匹いるので、

それらはわかりますよね。

残りの4匹は背、腹形、頭部の形などで見分けてください。

こっちよりこっちのほうが背幅がある。とか、
こっちの方が腹付きがふっくらしてるとか...
そういう違いを見分けながら、1匹1匹の個性を理解することができれば、
後は残せる数を考えて残したい魚を残せば良いだけ。ということですね。

この6匹の中で、どれを残すか(どれが好きか)は、人それぞれで良いと思います。

2014年4月28日月曜日

明二歳の宇野系らんちゅう(胴の質を見る)

我が家では、頭と胴がコンタック600のカプセルからタバコのフィルター部分ぐらいの大きさになった頃に、頭骨や胴の雰囲気が良く、ついでに尾型の良い魚を15匹ぐらいピックアップして少し大きめに飼います。
(大きめといっても会用をやってる人からしたら豆粒ですけどね)

そういった魚は、この時期、こちらの写真ぐらいに成長します。



2枚の写真は、同じ3匹を撮影したもので、1枚目の写真の左上の魚が2枚目の真ん中、同じく1枚目の真ん中の魚が2枚目の左、1枚目の右端が2枚目の右端です。

それぞれの魚について、少し解説しておきます。

A)1枚目の左上(2枚目の真ん中)

 背を抑え、首を上向きに付けた質の良い骨格をしています。
吻端の土台が発達しているので顔が四角く見えますが、目幅やおでこも広く、良い魚です。



B)1枚目の真ん中(2枚目の左)

3匹の中では背幅が寂しいですが、腹付きが控えめなので兜巾型の魚かもしれませんね。
目幅、おでこの幅は良いので、兜巾タイプなら良い魚になるでしょう。

C)1枚目の右(2枚目の右)

 水なす型の腹構えを持つ会用魚という感じなので、背幅が寂しくなりやすい型なのですが、
この魚は十分な背幅を持っています。
同胎の水なす型の魚はBの魚ぐらいの背幅が多いのですが、この魚は一見して太いと思わせる背幅を持っている貴重な魚です。


Aは、背幅の充実した柔らかい魚に育っていってくれれば、次世代の本命種親でしょう。
Cは、 会用を採りたい場合の配合に使えそうですね。
Bは、4歳ぐらいまでは吻端も兜巾も出ず、見栄えのしない魚になりそうですが、古魚になってから化けてくれることを楽しみにキープしておく魚って感じですね。

2枚目の写真で、BとCの背幅感を見分けられるようになったら、あなたも胴フェチかも(^_^;)



ちなみに、ピックアップされなかった残りの魚達は、現在これ↑ぐらいのサイズです。
小さいですが、ちゃんと質を見て残しています。
左の魚はBと同じタイプ。真ん中はCに近いタイプで、より背幅が太いです。ただ伸びない(丸手)かもしれません。
右の魚はAに近いのですが、より柔らかみを持つ魚です。
どんな風に育つでしょうね(^_^)

2014年4月27日日曜日

京都筋宇野系らんちゅうの産卵時期

昨日今日と半袖で十分なぐらい暑かったのですが、
先ほどYahooの過去の天気で調べたら昨日の京都南部の最高気温は27度...
今日も25度。暑いわけです...

どの舟も雄魚はしっかり追い星を出しています。
メスの腹はまだそんなに柔らかくは無いですが、しっかり卵を持ってるな。とわかる個体も何匹かいます。

宇野系京都筋らんちゅう種親(オス) 

日中の気温が25度を超え、最低気温が15度ぐらいになってくると、
魚任せでも産卵が始まります。

瘤太郎の家では、明2歳は小さすぎて卵を持つサイズではないので、
産卵は3歳以降になりますが、3歳→4歳→それ以上というように、若い魚から産卵を始めるようです。

私の知人の多くもそうですが、いわゆる協会系のらんちゅう愛好家は12月から親魚を加温し、年が明けるやいなや仔引きをする人が多いようですが、比較的採卵時期の遅い宇野系らんちゅうでも、秋の品評会で当歳魚の出品を考えている人は早くから加温して採卵しているようです。

瘤太郎は基本的には産卵は魚任せです。らんちゅうを飼い始めた頃は、加温して3月に採ったりもしてましたが、のんびり飼うようになってからは、魚が勝手に仕上がって卵を産むまで待ってます。
というか、最初の卵は放卵させ、その20日程度後の大潮の前に、水換えをして魚巣を入れて刺激し、産ませることも多いです。
桜が散る頃からがシーズンになりますが、5月になってから産み出す年の方が多いですね。

ただ、5月は朝の水温が下がるので、ヒーターを入れておかないと、稚魚が一気に溶けるように落ちていくことも多いようです。

朝の最低水温が20度を越えるようになればヒーター無しでも稚魚の歩留まりは良くなってきます。

ときどき水温が高くなってから仔引きをすると奇形が増えるなどといった話を聞くことがありますが、瘤太郎は7月になってから産まれた仔を育てることが多いです。もちろん何の問題もなく育っています。
確かに、小さいまま冬眠することになるので、厳冬期は覆いをかけるなどしないと松かさのような状態になる魚が増えてしまいますが、それさえ気をつけて越冬できれば大丈夫です。

今年採りたいペアです。

上のペア、冬眠前にミスで魚を傷つけてしまったので、鱗が汚くなっているのですが、
何とか回復して元気に泳いでいます。
オスは、これぞ獅子頭というような充実した肉瘤が魅力です。
メスは胴の作りの良い魚で、兜巾も水饅頭様のしっかりした肌質を持っています。
尾はスボケですが、あまり気にしていません。
この2匹は同胎の兄妹です。明2歳で50匹ほど残し、繁殖サイズになった時に20匹ほど残していましたが、胴造りと兜巾の質は、このメスが一番でした。
胴や兜巾(肉瘤)の遺伝子を残すためには、 スボケだからといってハネていては残らないという例の1つですね。
(念のため書いておきますが、協会系の硬い尾は別として、宇野系の尾形であれば、片親がスボケでも大丈夫だと思っています。※この2匹のメス親もスボケでしたが、写真のオスのような綺麗な尾形を持つ魚は沢山居ました。結局は針仔の間の餌の量で尾の開きは随分変わるようです。)

 さてさて。いずれにしてもそろそろ自然産卵もシーズンインですね。
オスがメスを追尾するような行動(追い行動)を見せ始めたら、大潮や雨、水換えなどのきっかけで産むことが多いようです。

皆様もお気に入りのペアで仔引きを楽しんでください。

2014年4月13日日曜日

瘤太郎的・宇野系らんちゅうの用語解説(青水)

宇野系らんちゅうの飼い方の話で良く出てくる言葉が「青水(あおみず)」です。

普通、らんちゅう愛好家の間で青水という場合、植物性プランクトンが大量繁殖し、緑色がかった状態になっている飼育水の事を言います。

水換えをして2週間程度経った飼育水
綺麗な緑色をしています。


青水を透明なコップに掬うとエメラルドグリーンのような色をしているのですが、これは飼育水の中を漂う大量の植物性プランクトンが持つ葉緑素の影響で水そのものが緑色に見えるようになっているためです。(植物プランクトンには緑色以外の色素を持つものもいます)

宇野系らんちゅう愛好家が、青水を意識する理由は、宇野系らんちゅうを青水で飼うと、魚の色が良くなるとか、肉瘤が出やすいなどと言われるためなのですが、実際の所、どこまで影響しているのかは、はっきりとわかっていません。

ただ、冬場(冬眠中)、状態の良い青水で飼われているらんちゅうは、緑色の糞をします(結構な量の糞をします)。
コイ科の魚の中には、好んで藻を食べる種類もいますから、青水中の植物プランクトンを摂取することで、多少の栄養にしているのかもしれませんね。
そういった状態で越冬したらんちゅうは、12月から3月半ばまで餌を切っても、痩せたり肉瘤が小さくなったという印象が無いことは事実です。

さて、では、どの様な青水が良いのか、どの程度水換えをせずに青水で飼うのか。というところが難しいところです。

我が家の飼育水の変化を記録してみたので、それをご紹介します。

水換え直後の飼育水
(全換水後、小さい洗面器1杯分の青水を戻しました)
4日後の飼育水
(緑色が濃くなって濾過器が見えにくくなりました)
10日後の飼育水
(濃い青水になりました。魚もあまり見えません。)

我が家の舟(午前中のみ日が当たる)の場合、大体こんな感じで濃くなって行きます。

但し、青水の進行スピードは、
 ・日光のあたり具合(良くあたるほど早い)
 ・温度(高いほど早い)
 ・魚の収容数(多いほど早い)
 ・餌の種類や与える量(多いほど早い)
などによって変わってきます。

青水飼育の場合も水換えの頻度は、基本的には水の痛み具合で判断すべきですが、
餌をやっているシーズンの場合は、早い人で5日か7日周期、長い人で2週間程度だと思います。
瘤太郎の場合、通常は2週間で、最初の1週間は餌もしっかり与え、8~11日目ぐらいは少し控え目に餌を与え、最後の2日ほどは餌を切って2週間で水を替えます。
ただ、ブクブクの泡がなかなか消えないとか、水の匂いがおかしいとき、あるいは水が濁ってるときなどは、早めに水換えを行うことがあります。

さて、緑色だけど青水なのですが、実は様々な条件で青水の色は変わります。
うっすら白濁するような色の場合は、あまり良い状態ではないと思っていますが、
魚に影響が無い場合の青水の色のバリエーションをご紹介します。


少し茶色がかった青水

青水というよりも赤水?赤潮??
珪藻類が優勢なのかもしれませんね。

最後にアップした赤い水は、海で言えば赤潮の色で、赤潮は魚のエラに詰まって
魚が死ぬと言われますが、我が家の赤水(?)の場合、魚が死ぬようなことは
ありません。普通に健康な状態で泳いでいます。
ただ、やっぱりあまり気持ちのよい色ではないので、全換水して、綺麗な緑色を
している舟の水を入れたりして緑色の青水になるよう調整したりします。

2014年3月22日土曜日

冬眠明け二歳の宇野系らんちゅう

お彼岸となりましたので、我が家も始動です。
日中10度を越える日が多くなってきました。

でも、まだ水は冷たいですね(>_<)
魚を掬うときは、お湯を入れたバケツで手を暖めながらじゃないと無理です...

さて、今日は、冬眠明二歳を掬って撮影してみました。
体長35mm程度です。


1番の魚は、全体の体型のバランスの良い仔ですね。
まず、頭部の長さ、胴の長さ、筒の長さと下ろし方を見た時に、調度良いぐらいの比率になっていると思います。
目幅と背幅があり、腹形も良く、腹から筒に掛けてスムーズにつながっているので、しっかりした太さを見せる魚になりそうです。
こういうタイプは、魚任せで育てていっても、バランスのとれた体型に育っていく会向けの魚だと思います。
3番や5番の仔は、1番に比べると、尾筒が長くて下ろし方がゆるいので、腹から尾に掛けて間延び感があります。

2番の 魚は、エラの直後(というかエラの内側)から丸みのある腹のラインが特徴的な仔です。
魚を上から見た時の腹のシルエットのラインが丸みを持っているということなのですが、5匹の中では、2番だけが丸みがあります。(微妙な差ですが)

では、問題。

下の5匹の中で、上の2番の魚がどれか、腹のラインを見てわかりますか?

答えは...

右下の仔ですね。

2番のように、全体のシルエットは細いけど、エラから腹にかけてのラインに丸みを見せる魚を、「柔らかい魚」と言うことがあります。
らんちゅうは、 ある時期(我が家では4歳頃)に頭蓋骨がぐっと幅を増す時期があるのですが、
柔らかい魚は、その時に、背幅もぐっと広がって見えるようになることがあります。

硬い魚は、体の成長を体高方向に持って行ってしまいますが、柔らかい魚は、体の成長を横方向に広げてくれるのです。
ですので、瘤太郎は、種に使う魚は柔らかい方が良い(特にメス)。と考えています。ただし、柔らかい魚は、全体のシルエットを細く見せる魚が多いです。(腹だけぼってり見せるような洋なし型の腹形)
柔らかい魚は、餌をつけすぎるとブヨブヨになっていきますから、ある程度魚の成長を見ながら餌をコントロールしていかなければなりません。
そんな飼い方をしていると、柔らかい魚が仕上がるのは4歳の秋か5歳になってからです。
親としての資質を見極めるには、そこまで待たないといけないということです。
種筋には柔らかい親、会筋には硬めの親を使うのも、そういった考えに基づいています。
(柔らかい魚もじっくり育てれば、6歳、7歳で会に出品することは可能ですけどね)


3番と4番は似たようなタイプですが、4番は背出しの少し後ろから背が高く盛り上がっていますね。
3番はすっとスムーズな背をしていると思います。
どちらも上から見ての判断(写真だけの判断)なのですが、わかりますか?

3番は、鼻先から腹じまいまでは雰囲気の良い魚ですが、筒伸びがあり、尾付けのあたりで少ししゃくれてますね。後、尾が少し大きすぎるかな。
「筒から後ろを隠したら良い魚なのになあ」 なんてボヤいてしまう魚ですね。
胴や肉瘤を重視する場合、尾筒や尾はあまり気にしない人もいます。瘤太郎もさほど気にしませんが、2世代続けて、同じような問題を持つ魚を親に選ばないといったようなことは気にしています。

4番は、背出しの幅があるので、背を抑えていたらもっと背幅を見せていたと思います。
残念ですね。背が途中から盛り上がる魚は、見かけの背幅を太くすることがありますが、
神経棘が長くなっていたり、筋肉の形が悪い、あるいは背骨が奇形...など、何らかの不都合があるはずですから、種には使いたくないと考えています。
この仔については、尾のビビリがひどくならないなら会用になるかな...

さて、上見ではわかりにくい話が続いたので、ここで別の写真を...

きっちり確認しているわけではないですが、多分番号はあってると思います。
アングルが悪くて2番の筒のシャクレはわからないですね(^_^;)

4番と5番の背が盛り上がってるのがわかりますか?
このわずかな盛り上がりを上見で判断できるかどうか...
実際は、分からないはずなのですが、4番なんかは、その血統の平均と照らしあわせて
考えると、これだけ背出しの幅があれば、もっと背幅が太く見えるはずなのに...
という違和感を感じるんですよね。
でも背幅があまり太く見えない...
なので、背が持っているんじゃないか?と疑うわけです。
後は、背の鱗にかかる微妙な陰影で、横から見た時の背のカーブの丸みを想像したりして、
背の高さを見抜いています。
だから、我が家の見慣れた血統の魚なら、上見の写真だけである程度の横見の姿を想像できるのですが、知らない血統の魚だとそうは行きません。

さて、最後に5番ですが、腹の硬そうなスッとした魚という印象です。
たまたま体勢が少し頭を下げるような格好になっているかもしれませんが、
背出しのVが深いですよね。
4番も5番も背が盛り上がっているのですが、4番は、背出しまでは低いです。
それに比べて5番は背出しから高くでています。
ここも微妙な違いですが、読み取っておくべき違いです。

この5番のようなタイプは、兜巾型になってくれるなら置いておくけど、
そうでなければ、「背に嫌な肉を盛る魚」という評価になってしまいます。
兜巾型でも背を抑えたタイプは出てきますので、上見でのシルエットが5番と同じように腹付きが控えめな兜巾型の胴造りをしていて、背を抑えた魚が他にいれば、この魚は種用として期待するのはやめて、会用に仕立てていくことになると思います。
ただ、会用に仕立てる場合は、尾のビビリが強いので、兜巾ブリブリにして、「わ~凄い兜巾」って感じで驚かせる魚になるよう、餌を強めにしていくことになるのでしょうね。

こんな感じで、まだ35mmの小さな魚ですが、それなりに先行きを見通したりしています。
そうじゃないと、なんでもかんでも残さなきゃならなくなりますからねえ。